- 2026年度調剤報酬改定の施行時期と改定率
- 調剤基本料・体制加算・対人業務で変わった主な項目
- 新設・廃止・再編された代表的な点数
- 2027年度の段階的な設定をどう読むか
- 制度変更と薬局収益・薬剤師個人の給与を分ける考え方
- 自分の勤務先への影響を確認する7項目
- 現場の薬剤師が改定後に確認したい業務変更
2026年度の調剤報酬改定では、調剤基本料、地域の医薬品供給体制、在宅、かかりつけ薬剤師、残薬対応、医療DX、賃上げ・物価対応など、複数の領域が同時に見直されました。
変更項目が多いため、点数だけを一覧で追うと、薬局の運用に何が起きるのか、働く薬剤師に何が関係するのかが分かりにくくなります。
この記事では、厚生労働省が示した改定の構成に沿って全体像を整理し、制度上の変更、薬局の業務体制、薬剤師個人の労働条件を分けて説明します。
私は調剤薬局チェーンで人事・経営企画に携わりましたが、調剤報酬の点数が変わったからといって、翌月から薬剤師個人の給与が同じ割合で変わるわけではありません。制度変更が店舗業務や人員配置へ届くまでには、施設基準の確認、届出、業務手順の変更、研修、システム対応など複数の段階があります。
本記事は2026年8月13日時点の情報を基準にしています。厚生労働省は2026年7月30日まで疑義解釈や訂正通知を追加しているため、実際の算定可否は最新の告示・通知・疑義解釈を確認してください。
結論|制度上の点数・薬局の運用・個人の給与を分けて読む
2026年度改定を働く薬剤師の立場から読むときは、次の3段階を分けることが重要です。
| 段階 | 確認する内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 制度上の変更 | 点数、算定要件、施設基準、届出、経過措置 | 厚生労働省の告示・通知で決まる |
| 薬局の運用 | どの項目を算定するか、業務手順、システム、人員配置 | 薬局ごとに影響が異なる |
| 薬剤師個人 | 仕事内容、業務量、勤務時間、給与、手当、評価 | 制度から自動的には決まらない |
例えば、ある加算が新設されても、勤務先が施設基準を満たさなければ算定できません。算定しても、その点数が一人の薬剤師へそのまま支給されるわけではありません。
反対に、点数が廃止された場合でも、会社が独自に支給している基本給や役職手当が直ちに廃止されるとは限りません。会社の賃金規程や雇用条件を別に確認する必要があります。
2026年度調剤報酬改定の施行時期と改定率
診療報酬本体の改定は2026年6月に施行されました。薬価改定は2026年4月施行です。
| 項目 | 数字 | 読み方 |
|---|---|---|
| 診療報酬本体 | 2年度平均 +3.09% | 2026年度と2027年度を平均した全体の改定率 |
| 2026年度 | +2.41% | 2026年6月施行分 |
| 2027年度 | +3.77% | 2027年度に設定された改定率 |
| 賃上げ分 | 2年度平均 +1.70% | 賃上げ支援に充てる部分 |
| 物価対応分 | 2年度平均 +0.76% | 物価上昇への対応部分 |
| 効率化 | ▲0.15% | 後発医薬品、在宅、長期処方等の適正化による部分 |
| その他の各科改定率のうち調剤 | +0.08% | 上記以外の部分における調剤の改定率 |
| 薬価 | ▲0.86% | 2026年4月施行 |
ここで最も注意したいのは、診療報酬本体が+3.09%だから、各薬局の収益も3.09%増えるわけではないことです。
同様に、調剤の各科改定率+0.08%も、すべての保険薬局の売上が0.08%増えるという意味ではありません。
個別薬局への影響は、調剤基本料の区分、処方箋受付回数、集中率、処方日数、施設基準、患者構成、届出、算定実績などによって変わります。
2027年度は調剤報酬全体の再改定と決まったわけではない
今回の改定では、改定率や一部の評価料について2026年度と2027年度で段階的な設定がされています。
- 診療報酬本体の改定率は2026年度+2.41%、2027年度+3.77%
- 調剤ベースアップ評価料は2027年6月以降、所定点数の200%
- 調剤物価対応料も2027年6月以降、所定点数の200%
- 経済・物価が見通しから大きく変動した場合は、2027年度予算編成で追加調整を検討
- 2027年度には薬価改定を実施
ただし、これは2027年に調剤報酬点数表全体をもう一度全面改定すると決まったことを意味しません。
2026年度の制度を理解する際は、2027年度に点数が段階的に変わる項目と、今後の予算編成で追加調整が検討される可能性を分けてください。
厚生労働省が示す調剤報酬改定の全体像
厚生労働省の調剤向け説明資料は、改定内容を次の大分類で整理しています。
| 大分類 | 主な内容 |
|---|---|
| 物価や賃金上昇への対応 | 調剤ベースアップ評価料、調剤物価対応料 |
| 地域の医薬品供給拠点としての体制評価 | 調剤基本料、地域支援・医薬品供給対応体制加算、在宅体制、バイオ後続品、医療DX |
| 対人業務の評価見直し | かかりつけ薬剤師、服薬指導、残薬・薬剤調整、在宅訪問、調剤管理料 |
| その他の改定事項 | 選定療養、無菌製剤処理、オンライン指導の整理、療養担当規則等 |
| 地方厚生局への届出と報告 | 施設基準の新規届出、名称変更、経過措置、実績期間 |
対人業務の評価見直しは重要ですが、2026年度改定を対物業務から対人業務への完全な置換えと説明するのは適切ではありません。
調剤基本料、薬剤調製料、薬剤料、地域の医薬品供給、在宅体制、医療DX、物価・賃金対応も引き続き制度の大きな部分を占めます。
改定前後で再編された主な項目
2026年度改定では、単純な点数の増減だけでなく、既存項目の統合、新しい加算への再編、廃止が行われています。
| 領域 | 改定前 | 改定後の主な扱い |
|---|---|---|
| 地域・医薬品供給 | 地域支援体制加算、後発医薬品調剤体制加算 | 地域支援・医薬品供給対応体制加算へ再編 |
| 医療DX | 医療DX推進体制整備加算、医療情報取得加算 | 電子的調剤情報連携体制整備加算8点へ一本化し、医療情報取得加算を廃止 |
| かかりつけ薬剤師 | かかりつけ薬剤師指導料、包括管理料 | 両項目を廃止し、実施したフォローアップ・訪問等を個別評価 |
| 残薬・薬剤調整 | 重複投薬・相互作用等防止加算等 | 調剤時残薬調整加算、薬学的有害事象等防止加算を新設し、旧項目を廃止 |
| 調剤管理料 | 日数4区分、調剤管理加算あり | 28日以上60点、27日以下10点へ再編し、調剤管理加算を廃止 |
| オンライン指導 | 在宅患者オンライン薬剤管理指導料 | 服薬管理指導料等と整理・一本化 |
| 賃上げ・物価 | 独立した調剤評価なし | 調剤ベースアップ評価料、調剤物価対応料を新設 |
制度項目の名称が変わった場合でも、勤務先で以前の届出から新たな届出が不要となるケースや、区分変更時だけ届出が必要なケースがあります。施設基準の確認は薬局単位で行ってください。
薬局の体制評価で変わったこと
調剤基本料は点数と区分の両方が見直された
調剤基本料では、面分業の推進や経営環境への対応として、一部区分の点数が引き上げられました。
| 区分 | 改定後 |
|---|---|
| 調剤基本料1 | 47点 |
| 調剤基本料2 | 30点 |
| 調剤基本料3イ | 25点 |
| 調剤基本料3ロ | 20点 |
| 調剤基本料3ハ | 37点 |
| 特別調剤基本料A | 5点 |
| 特別調剤基本料B | 3点 |
ただし、薬局の区分は点数表だけでは決まりません。処方箋受付回数、集中率、同一グループの受付回数、立地、新規開設などの施設基準を組み合わせて判断します。
集中率85%は複数の基準で使われる重要な境界ですが、85%を超えたことだけで全国の薬局が同じ区分へ下がるわけではありません。
調剤基本料1・2・3イ・ロ・ハ、特別調剤基本料A・Bの点数、受付回数、集中率、同一グループ、医療モール、経過措置については、次の記事で詳しく整理しています。
関連記事:2026年度の調剤基本料を解説|1・2・3・特別A/Bの点数・集中率・施設基準
都市部等の新規薬局には門前薬局等立地依存減算が新設された
2026年6月1日以降に新規開設する一定の薬局について、門前薬局等立地依存減算として調剤基本料から15点を減算する仕組みが新設されました。
対象は、都市部で周辺に他薬局があり、特定医療機関への処方箋集中率が85%を超え、病院周辺・薬局密集地域・医療モール等の条件を満たす場合などです。
2026年5月31日時点ですでに保険指定を受けていた薬局には、当面の経過措置が設けられています。すべての既存門前薬局へ一律に15点減算される制度ではありません。
関連記事:2026年の門前薬局等立地依存減算|対象薬局・既存店への影響を元人事部長が解説
地域支援と後発医薬品供給の体制評価が再編された
地域支援体制加算と後発医薬品調剤体制加算は、地域支援・医薬品供給対応体制加算へ再編されました。
新制度は1から5の区分があり、調剤基本料区分や施設基準に応じて点数が異なります。単に後発医薬品の使用割合だけを見るのではなく、地域での医薬品供給、夜間休日対応、在宅、薬学的介入等を含む体制・実績の確認が必要です。
在宅薬学総合体制加算は要件強化と評価引上げが同時に行われた
在宅薬学総合体制加算1は15点から30点へ引き上げられました。
在宅薬学総合体制加算2は、単一建物診療患者または単一建物居住者が1人の場合100点、それ以外の場合50点に分けられています。
一方で、年間の訪問実績、開局時間外の対応、研修、医療材料・衛生材料の供給、麻薬小売業者免許など、施設基準も確認する必要があります。
点数が上がったことだけをもって、在宅業務を行う薬局が一律に高収益になる、すべての薬剤師に在宅経験が必須になるとはいえません。
バイオ後続品調剤体制加算が新設された
バイオ後続品を調剤する体制を評価するため、バイオ後続品調剤体制加算50点が新設されました。
算定には、バイオ医薬品の適切な保管や患者説明が可能であることなど、必要な体制を整え、届出を行う必要があります。
電子的調剤情報連携体制整備加算は8点・月1回
医療DX推進体制整備加算は廃止され、電子的調剤情報連携体制整備加算へ一本化されました。改定後は8点を月1回算定します。
施設基準には、電子処方箋の発行・応需や調剤情報登録、処方・調剤情報の閲覧、重複投与・併用禁忌チェックへ対応する体制などが関係します。
ただし、加算の算定要件として電子処方箋等が関係することと、すべての薬局に一般的な法的義務として課されることは同じではありません。
未算定であることだけを理由に、薬局の経営状態や勤務する薬剤師の能力を判断することもできません。
薬剤師の対人業務で変わったこと
かかりつけ薬剤師は包括的な点数から実施した業務の評価へ
かかりつけ薬剤師指導料と、かかりつけ薬剤師包括管理料は廃止されました。
代わりに、実際に行った継続的な確認や訪問を評価する項目が新設されています。
| 項目 | 点数・頻度 | 概要 |
|---|---|---|
| かかりつけ薬剤師フォローアップ加算 | 50点・3月に1回 | 電話等による服薬状況・残薬状況の継続確認と必要な指導 |
| かかりつけ薬剤師訪問加算 | 230点・6月に1回 | 患者等の求めに応じて患家を訪問し、服薬管理・残薬確認を行い医療機関へ情報提供 |
点数体系の変更と、会社が独自に支給するかかりつけ手当は別です。勤務先の手当が旧点数へ連動していた場合は、賃金制度をどのように変更するのか会社へ確認してください。
残薬調整と薬学的な処方変更が別の加算へ整理された
残薬調整を評価する調剤時残薬調整加算と、残薬以外の薬学的な確認に基づく処方変更を評価する薬学的有害事象等防止加算が新設されました。
| 項目 | 点数 | 点数区分の考え方 |
|---|---|---|
| 調剤時残薬調整加算 | 50点または30点 | 在宅患者への対応、処方箋発行前の提案反映、かかりつけ薬剤師による変更等の具体的条件で区分 |
| 薬学的有害事象等防止加算 | 50点または30点 | 在宅患者、処方箋発行前の相談、かかりつけ薬剤師による照会等の具体的条件で区分 |
50点と30点の違いを、介入の質が高いか低いかという抽象的な評価として説明することはできません。厚生労働省が定めた算定条件の違いです。
調剤時残薬調整加算のイ・ロ・ハ・ニ、原則7日分以上、6日分以下の例外、減数調剤後の報告・記録については、次の記事で詳しく整理しています。
関連記事:2026年度の調剤時残薬調整加算とは?50点・30点・算定要件を解説
これらの新設に伴い、重複投薬・相互作用等防止加算と在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料は廃止されました。
在宅訪問では同時訪問・複数名訪問の評価が新設された
在宅患者への薬剤管理について、医師と薬剤師が患家へ同時訪問した場合の訪問薬剤管理医師同時指導料や、複数名で訪問した場合の複数名薬剤管理指導訪問料が新設されました。
在宅患者訪問薬剤管理指導料の算定間隔も、中6日以上から週1回へ見直されています。
吸入薬指導加算はインフルエンザの吸入薬が対象に追加された
吸入薬指導加算は30点で、喘息・COPD等に加えてインフルエンザの吸入薬が評価対象へ追加されました。
関連記事:2026年の吸入薬指導加算|インフルエンザ追加・30点・算定要件を解説
調剤管理料は28日以上と27日以下の2区分へ再編された
内服薬の調剤管理料は、従来の複数の日数区分から、長期処方28日分以上と、それ以外の27日分以下へ再編されました。
| 改定後の区分 | 点数 |
|---|---|
| 内服薬・長期処方28日分以上 | 60点 |
| 内服薬・27日分以下 | 10点 |
| 内服薬以外等 | 10点 |
調剤管理加算は廃止されました。
一つの薬局への影響は、長期処方と短期処方の構成によって異なります。短期処方があるから直ちに大幅減収と判断せず、実際の処方日数分布を確認する必要があります。
関連記事:2026年調剤報酬改定|調剤管理料10点・60点への再編と14日処方の影響を解説
賃上げ・物価対応で新設された2つの評価
調剤ベースアップ評価料は4点
調剤ベースアップ評価料は、職員の賃金改善を図る体制を届け出た保険薬局で、処方箋受付1回につき4点を算定する項目です。
2027年6月以降は、所定点数の200%に相当する点数となるため、現在の制度では8点です。
ただし、勤務するすべての薬剤師が対象になるわけではありません。対象職員の範囲、年齢、役割等に条件があり、管理薬剤師等は対象外となる場合があります。
また、薬局が4点を算定したからといって、一人の薬剤師へ4点分がそのまま支給される制度ではありません。
関連記事:調剤ベースアップ評価料とは?2026年の対象職員・4点・賃上げルールを解説
調剤物価対応料は1点・患者ごとに3月に1回
物価上昇への段階的な対応として、調剤物価対応料1点が新設されました。処方箋を提出した患者に調剤した場合、患者ごとに3月に1回算定します。
2027年6月以降は所定点数の200%となるため、現在の制度では2点です。
月間処方箋枚数だけを3か月分掛けても、算定額は求められません。同じ患者が3か月の間に複数回来局しても、毎回算定できるわけではないためです。
調剤物価対応料の新設だけで、特定の薬局が経営改善する、または経営不振になるとは判断できません。
自分の勤務先への影響を確認する7項目
改定による勤務先への影響を考えるときは、薬局の種類だけで決めず、次の項目を確認します。
| 項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 1.調剤基本料 | 改定後にどの区分を算定しているか |
| 2.受付回数と集中率 | 処方箋受付回数と特定医療機関への集中率を組み合わせて確認 |
| 3.立地・開設時期 | 都市部、新規開設、医療モール、病院周辺、既存薬局の経過措置 |
| 4.処方日数の構成 | 28日以上と27日以下の処方がどの程度あるか |
| 5.体制加算と届出 | 地域供給、在宅、DX、ベースアップ等の届出・算定状況 |
| 6.実際の運用 | 在宅、フォローアップ、残薬対応、電子処方箋をどのように運用しているか |
| 7.改定後の業務変更 | 業務分担、研修、記録、システム、患者説明、勤務時間の変化 |
この7項目は、薬局が安全か危険かを点数化するためのものではありません。
改定による影響を把握し、仕事内容や労働条件に変更が生じる場合に、会社へ確認する論点を明確にするためのものです。
現場の薬剤師が改定後に確認したい業務変更
働く薬剤師にとっては、点数の暗記より、店舗で何が変わったのかを確認することが重要です。
- 改定後に変更された業務手順書・マニュアル
- 新しい算定項目に関する研修の有無
- 患者説明で追加・変更された内容
- 薬歴・報告書・情報提供書等の記録方法
- 電子処方箋・システム入力・重複投薬確認の運用
- 在宅訪問、フォローアップ、残薬対応の担当者と分担
- 施設基準の届出内容と店舗で実際に行っている業務の一致
- 業務量・残業・休憩・シフトへの影響
- 給与・手当が変更される場合の正式な労働条件通知
施設基準を満たすために、新しい業務だけが追加され、既存業務や人員配置が見直されていない場合は、業務量と勤務時間を会社へ確認する必要があります。
一方、新しい点数を算定していないことだけで、薬局の方針が誤っていると判断することもできません。患者構成、地域、業務範囲、施設基準によって、算定する項目は異なります。
元人事部長の経験|点数変更が個人の給与へ届くまでには段階がある
私が調剤薬局チェーンで人事・経営企画に関わっていたときも、調剤報酬の変更が、そのまま個人の給与へ直結するわけではありませんでした。
一般には、次のような段階があります。
- 本部や担当部署が改定内容を整理する
- 店舗ごとに施設基準と届出を確認する
- 業務手順・システム・帳票を変更する
- 薬剤師・事務職員へ研修を行う
- 人員配置・業務分担・目標を調整する
- 必要に応じて給与・手当・評価制度を別途見直す
このため、加算を算定できる薬剤師は年収が上がる、在宅経験があれば高年収になる、DX対応が遅い薬局にいると市場価値が下がる、といった全国共通の結論は出せません。
個人の給与は、勤務先の賃金制度、役割、地域、勤務時間、求人条件、人員需給などを含めて確認します。
関連記事:2026年度調剤報酬改定で薬剤師の給与は上がる?元人事部長が影響を解説
改定を理由に転職を急ぐ必要はない
制度変更があったからといって、直ちに転職が必要になるわけではありません。
まずは、勤務先で実際に変更された業務、勤務時間、人員配置、給与・手当を確認します。
薬局の経営状態が不安な場合も、特定の加算を算定していないという一点だけで判断せず、給与遅延、支払条件、人員流出、設備保守、仕入れ等の複数の事実を確認してください。
関連記事:薬局が倒産しそうなときの兆候は?薬剤師が確認したい7つのサインと備え
仕事内容や職場環境の変化を踏まえて今後の選択肢を整理する場合は、改定だけで結論を出さず、自分が重視する勤務条件と役割を先に整理します。
関連記事:薬剤師のキャリアの軸とは?見つからないときの自己分析4ステップ
2026年度調剤報酬改定の関連記事
個別項目については、次の記事で詳しく整理しています。
FAQ
- 2026年度調剤報酬改定はいつ施行されましたか?
-
診療報酬本体と調剤報酬の主な改定は2026年6月に施行されました。薬価改定は2026年4月施行です。施設基準や経過措置によって確認時期が異なるため、個別項目は最新通知を確認してください。
- 診療報酬が+3.09%なら薬局の収益も3.09%増えますか?
-
一律には増えません。+3.09%は2026年度・2027年度の診療報酬本体の2年度平均です。各薬局への影響は、調剤基本料、処方箋構成、施設基準、届出、算定実績等によって異なります。
- 今回廃止された主な調剤報酬項目は何ですか?
-
かかりつけ薬剤師指導料、かかりつけ薬剤師包括管理料、後発医薬品調剤体制加算、医療DX推進体制整備加算、医療情報取得加算、重複投薬・相互作用等防止加算、調剤管理加算、在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料等が廃止・統合されています。
- 今回新設された主な項目は何ですか?
-
地域支援・医薬品供給対応体制加算、バイオ後続品調剤体制加算、電子的調剤情報連携体制整備加算、門前薬局等立地依存減算、調剤時残薬調整加算、薬学的有害事象等防止加算、かかりつけ薬剤師フォローアップ加算、かかりつけ薬剤師訪問加算、調剤ベースアップ評価料、調剤物価対応料等があります。
- 電子処方箋への対応はすべての薬局で法的に義務ですか?
-
電子的調剤情報連携体制整備加算の施設基準には電子処方箋等へ対応する体制が関係しますが、加算の算定要件と、すべての薬局に対する一般的な法的義務は同じではありません。勤務先の届出・運用状況を確認してください。
- 2026年度改定で薬剤師の給与は上がりますか?
-
改定だけから個人の給与上昇を判断することはできません。調剤ベースアップ評価料には対象職員・賃金改善のルールがありますが、すべての薬剤師が対象ではなく、会社の給与制度や実際の賃金改善内容によって異なります。
- 自分の勤務先への影響は何を確認すればよいですか?
-
調剤基本料区分、受付回数と集中率、立地・開設時期、処方日数、体制加算と届出、在宅・かかりつけ・DXの実際の運用、改定後の業務分担・研修・システム変更を確認します。
- 2027年に調剤報酬全体がもう一度改定されますか?
-
調剤報酬全体をもう一度全面改定すると決まったわけではありません。2027年度の改定率、一部評価料の200%設定、薬価改定、物価・経営状況に応じた追加調整の可能性が示されています。
まとめ|改定の点数と自分のキャリアを直接結び付けない
2026年度調剤報酬改定では、薬局の体制評価、対人業務、在宅、医療DX、賃上げ・物価対応が広く見直されました。
- 診療報酬本体の2年度平均は+3.09%だが、薬局収益や個人給与の上昇率ではない
- 調剤基本料は点数と施設基準の両方が見直された
- 地域支援・後発医薬品・在宅・医療DXの体制評価が再編された
- かかりつけ薬剤師、残薬調整、薬学的介入は実施した業務の評価へ見直された
- 調剤ベースアップ評価料4点と調剤物価対応料1点が新設された
- 2027年度の段階的設定は、調剤報酬全体の第二の全面改定を意味しない
- 制度変更と仕事内容・勤務時間・給与は別の段階で確認する
まずは勤務先で変更された業務手順、届出、研修、システム、業務分担を確認してください。個人の給与や今後のキャリアは、改定の点数だけでなく、実際の役割と労働条件をもとに判断します。
