- 退職理由を上司・人事へどこまで伝えるか迷っているとき
- 給与・人間関係・残業など、職場への不満が退職理由になっているとき
- 本音を隠して別の前向きな理由を作るべきか迷っているとき
- ハラスメント・未払い賃金等を退職理由とは別に記録したいとき
- 引き止めを受け、理由を追加して説明すべきか迷っているとき
- 現在の会社への退職理由と、転職面接での転職理由を整理したいとき
- 離職票の離職理由が実際の経緯と違っていないか確認したいとき
薬剤師が退職を決めたとき、意外に悩みやすいのが退職理由をどこまで上司や人事へ話すかです。
給与が低い、人間関係がつらい、残業が多い、希望する仕事ができない、会社の方針と合わないなど、退職を考えるきっかけが現在の職場への不満であることもあります。
その場合、本音を言うと揉めるから、キャリアアップや家庭事情など別の理由へ言い換えた方がよいと考えるかもしれません。
しかし、退職するために架空の理由を作る必要はありません。一方で、退職に不要な不満・個人情報まで、すべて詳しく説明する必要もありません。
さらに重要なのは、同じ退職の経緯でも、現在の会社へ伝える内容、会社へ正式に記録・対応してほしい内容、次の会社の転職面接で説明する内容は目的が違うという点です。
私は調剤薬局チェーンで薬剤師採用・人事に携わってきました。その経験からも、退職理由を上手に演出することより、退職意思、改善を求める条件、正式に残すべき事実、次の職場へ求める条件を分ける方が、実務上は整理しやすいと考えています。
この記事では、厚生労働省等の公的情報と私自身の人事経験を分けながら、退職理由を何と、どこまで伝えるかを整理します。
制度情報は2026年8月時点で確認しています。個別の退職可否や法的紛争は、契約期間、賃金形態、就業規則、実際の経緯等によって判断が分かれる場合があります。会社との争いがある場合は、総合労働相談コーナー等の公的窓口や専門家へ確認してください。
結論|退職理由は本音か建前かではなく用途ごとに分ける
退職理由を考えるときに、本音を何割、建前を何割と配分する必要はありません。
まず次の3つへ分けます。
- 現在の会社へ、退職のために何を伝えるか
- 会社や公的窓口へ、正式に記録・対応してほしい事実は何か
- 次の会社へ、今回の転職で何を変えたいと説明するか
この3つは同じ内容になる場合もありますが、一字一句同じである必要はありません。
たとえば長時間労働が退職理由であれば、現在の会社には勤務条件を見直すため退職すると簡潔に伝え、未払い残業等があれば勤怠・給与明細等の事実を別に記録し、次の会社では希望する勤務時間まで説明できます。
重要なのは、場面ごとに表現を変えることではなく、事実そのものを作り変えないことです。
保存用|退職理由を3つの用途に分けるシート
| 実際の理由 | 現在の会社へ伝える | 正式に記録・相談する | 次の会社で伝える |
|---|---|---|---|
| 給与 | 勤務条件を含め今後を見直し、退職を決めた | 未払い賃金等があるなら給与明細・勤怠等を確認 | 希望給与だけでなく役割・勤務条件まで整理 |
| 人間関係 | 職場環境・働き方を見直し退職を決めた | ハラスメント等なら日時・言動・相談経緯を記録 | 次に希望する組織・役割・相談体制を説明 |
| 長時間労働 | 現在の勤務時間では継続が難しく退職を決めた | 勤怠、給与明細、休憩、時間外労働等を確認 | 通常月・繁忙月を含む希望勤務条件を説明 |
| 仕事内容 | 今後希望する仕事との違いから退職を決めた | 通常は別記録不要 | 次に担当したい業務・役割を説明 |
| 会社方針 | 今後希望する働き方・仕事と方向が異なると判断 | 不正・患者安全上の問題なら別途報告・相談を検討 | 希望する組織・仕事内容・権限等を説明 |
| 健康 | 勤務継続が難しいため退職を決めた等、必要な範囲 | 勤務配慮・労災等の手続が関係するなら必要資料を確認 | 次の仕事に必要な勤務条件のみ整理 |
| 家庭・介護等 | 必要な範囲だけ説明 | 通常は退職理由として詳細記録不要 | 勤務可能な時間・勤務地等を説明 |
この表は、退職理由をきれいな言葉へ変換するためのものではありません。
同じ事実を、それぞれの場面で必要な範囲へ整理するための表です。
現在の会社への退職理由と転職面接の転職理由は分ける
退職理由を考えるときに混同しやすいのが、現在の会社へ退職を申し出る目的と、次の会社で転職理由を説明する目的です。
| 場面 | 主な目的 | 確認する内容 |
|---|---|---|
| 現在の会社への退職申出 | 退職意思と手続を伝える | 退職意思、希望日、必要に応じ簡潔な理由 |
| 退職面談 | 事情・改善可能性・実務調整を確認する | 話す範囲の事情、条件、引き継ぎ等 |
| 正式な相談・記録 | 会社や公的窓口へ事実を確認してもらう | 日時、言動、労働条件、相談経緯、資料等 |
| 離職証明書・離職票 | 雇用保険上の離職経緯を確認する | 実際の離職経緯と記載内容 |
| 次の会社の採用面接 | 今回の転職理由と応募先との適合性を確認する | 前職を辞める理由と、次に求める仕事・条件 |
現在の会社へ、勤務条件を見直した結果として退職すると伝えた人が、転職面接で残業時間や希望する働き方をもう少し詳しく説明しても矛盾ではありません。
反対に、実際には給与・勤務時間が理由なのに、存在しない専門分野への挑戦を理由として作ると、説明の整合性が崩れやすくなります。
無期労働契約は退職申出が基本だが、14日だけで全てを判断しない
退職理由を詳しく話さなければ会社が退職を認めてくれないのではないか、と不安になる人もいます。
厚生労働省の労働契約ポータルサイトは、期間の定めのない労働契約について、労働者はいつでも退職を申し出ることができ、法律上は退職申出から14日を経過したときは退職となると案内しています。また、合理的な退職手続が就業規則に定められている場合には、その手続に従う必要があると説明しています。厚生労働省 労働契約の終了
大阪労働局も、期間の定めのない雇用契約について、会社の同意がなければ退職できないわけではないと説明しています。大阪労働局 退職・解雇・雇止めQ&A
ただし、実際の退職日を巡って会社と争いがある場合は、契約形態、賃金形態、就業規則、退職申出の方法等によって確認すべき点が増えます。
この記事では、14日という数字だけを根拠に会社の手続を無視することを勧めません。
まず雇用契約書・就業規則を確認し、通常の手続で調整できない場合は公的相談窓口等へ確認してください。
退職願・退職届・会社所定書式など、退職の申出方法そのものは、退職願と退職届の違いと書き方|薬剤師の退職手続きを解説で確認してください。
有期労働契約は無期契約と同じように扱わない
契約期間が定められている契約社員等では、無期労働契約と同じ2週間という考え方だけで判断しません。
厚生労働省は、有期労働契約では原則として契約期間中の退職はできず、やむを得ない事由がある場合には契約途中でも退職できると説明しています。厚生労働省 労働契約の終了
また、1年を超える一定の有期労働契約では、労働基準法第137条により、契約開始から1年を経過した後に退職できる場合があります。
有期契約の途中で退職したい場合は、自分の契約期間・契約内容・経緯を先に確認してください。
給与が理由の場合|実際には給与が理由なのに別の目標を作らない
給与が主な退職理由でも、それを隠して専門性を高めたい、在宅を学びたい等の別理由を作る必要はありません。
まず、条件変更があれば残るのかを分けます。
- 給与が改善されても退職する
- 一定の給与改定があれば残る可能性がある
- 給与以外に仕事内容・勤務地・勤務時間も変えたい
退職意思が確定しているなら、勤務条件を含めて今後の働き方を見直し、退職することを決めました、と簡潔に伝えられます。
給与改定なら残る可能性がある場合は、自分が希望する条件を具体的に伝えた方が会社側も検討可能か判断できます。
どちらの場合も、実際には給与が理由なのに、存在しないキャリア目標へ変換する必要はありません。
人間関係が理由の場合|相性と正式対応が必要な問題を分ける
特定の上司・同僚との人間関係が理由でも、退職のために相手への批判を全て話す必要はありません。
単に働き方・コミュニケーション・組織との相性が自分に合わないのであれば、職場環境を含めて今後の働き方を見直し、退職することにしました、と簡潔に伝える方法があります。
一方、暴言、嫌がらせ、差別的取扱い等について会社へ調査・対応を求めるのであれば、相性が悪かったという表現へ全てまとめない方がよいでしょう。
- いつ起きたか
- どこで起きたか
- 誰がどのような発言・行為をしたか
- その場に誰がいたか
- 会社の誰へ、いつ相談したか
- どのような回答・対応があったか
など、確認可能な事実を整理します。
退職理由を穏便にするために、正式な対応を求めたい事実まで消す必要はありません。
残業・休暇が理由の場合|抽象的なワークライフバランスへ変換しない
残業が多い、休憩が取りにくい、有給休暇を使いにくいなどが退職理由の場合も、すべてをワークライフバランスという一言へ置き換える必要はありません。
たとえば、現在の勤務時間では生活との両立が難しく、勤務条件を見直すため退職を決めました、と事実に沿って説明できます。
未払い残業、休憩時間、時間外労働の上限等について法令上の問題を疑っている場合は、退職面談の言い方とは別に、勤務記録・給与明細等を確認します。
残業時間・36協定・固定残業代等は、薬剤師の残業月45時間は多い?36協定・労働時間・残業代の確認方法を解説で整理しています。
会社の方針が理由の場合|会社を論破する必要はない
店舗運営、患者対応、異動、在宅、評価制度等について会社の方針と自分の希望が合わず、退職を考える場合もあります。
この場合、会社の方針が間違っていると証明しなければ退職できないわけではありません。
自分が今後どのような仕事・働き方を希望しており、現在の会社ではその方向を選ばないと判断したかを説明すれば足りる場合があります。
ただし、不正行為や患者安全上の問題など、単なる経営方針の違いとは別の問題があるなら、退職理由の言い換えだけで処理せず、必要な報告・相談を検討してください。
健康・家庭事情は必要な範囲だけ伝える
退職理由として、病気・治療・家族の病気・介護等に関する事情がある場合もあります。
この場合、退職の意思を伝えるために病名、治療内容、家族の詳細な病状等を必要以上に説明する必要があるとは限りません。
たとえば、健康上の事情から現在の勤務継続が難しく退職することを決めました、家庭事情により現在の勤務条件での継続が難しく退職を決めました、という範囲で足りる場面があります。
一方、勤務配慮、休職、退職時期の調整、社会保険・労災等の手続を会社へ求める場合は、その手続に必要な情報・書類を別途確認します。
退職理由として何を話すかと、会社へ必要な手続を求めるために何を提出するかは分けて考えます。
保存用|退職面談前の整理シート
| 確認項目 | 自分の答え |
|---|---|
| 退職意思は確定しているか | |
| 条件変更なら残る可能性があるか | |
| 会社へ改善してほしいことはあるか | |
| 正式に記録・対応してほしい問題はあるか | |
| 希望退職日はいつか | |
| 引き継ぎ上の主な論点は何か | |
| 今の会社にはどこまで伝えるか | |
| 話したくない個人情報は何か | |
| 次の職場で変えたい条件は何か | |
| 転職面接では何を説明するか |
この表を埋めておくと、面談中に新しい質問を受けても、どこまで話すかを決めやすくなります。
引き止めを受けたら、残る可能性があるかで2つに分ける
退職を伝えると、給与改定、異動、勤務時間変更、役割変更等を提案される場合があります。
| 自分の状態 | 対応 |
|---|---|
| 条件変更なら残る可能性がある | 条件を具体的に確認し、必要なら書面等で内容を確認して検討する |
| 退職意思は変わらない | 新しい理由を追加せず、退職日・手続・引き継ぎの話へ戻す |
ご提案ありがとうございます。ただ、条件変更をお願いして残るという判断ではなく、退職する意思は変わりません。退職日と引き継ぎについて相談させてください。
理由を次々に追加すると、追加した項目ごとに改善提案が出され、面談の論点が広がる場合があります。
退職意思が変わらないなら、会社を納得させるための理由を増やすより、次の手続へ戻します。
転職先が決まっていないことを隠す必要はない
在職中に次の仕事を決めれば、収入が途切れにくいという利点があります。
しかし、転職先が決まる前に退職してはいけないという一律のルールはありません。
健康、ハラスメント、転居、介護、休養等の事情から、先に退職する選択もあります。
反対に、生活費の余裕が少ない場合は、退職後の収入、社会保険、税金、雇用保険等を確認してから判断した方がよいでしょう。
また、実際には決まっていない次の勤務先・入社日を、引き止め回避のために決まったこととして伝える必要もありません。
転職先の会社名を伝えるかと秘密保持・競業避止は別の問題
退職面談で次の勤務先名を聞かれることがあります。
厚生労働省が示す無期労働契約の退職の基本ルールでは、次の勤務先名の開示が退職成立の条件として示されているわけではありません。
そのため、退職理由の説明に次の会社名が必要とは限りません。
ただし、在職中に秘密保持、競業避止、顧客・患者情報、営業秘密等に関する契約・規程がある場合は、退職後に負う義務が別途問題になることがあります。
次の勤務先名を話すかという問題と、退職後に守るべき契約上・法令上の義務は分けて確認してください。
引き継ぎ・有給・返却物は退職理由とは別に確認する
円滑な退職のため、担当業務を整理して引き継ぐことには意味があります。
ただし、会社が退職理由に納得したことと、引き継ぎ・有給休暇・返却物等の手続は同じ問題ではありません。
年次有給休暇について、厚生労働省は原則として労働者が取得時季を指定でき、退職日をもって年休権が消滅するため、退職間近の残存年休について退職日を超える時季へ変更することはできず、使用者は時季変更権を行使できないと説明しています。厚生労働省 年次有給休暇
実務上は引き継ぎと年休取得予定を早めに調整した方がスムーズですが、年休を上司からの評価と引き換えに考える必要はありません。
退職前の引き継ぎ、有休、返却物、社会保険等の確認は、薬剤師の退職前チェックリスト|引継ぎ・有給・返却物・退職後の手続きを解説でまとめています。
ハラスメント・労働条件の問題は退職理由とは別に記録する
退職理由がハラスメント、契約時と大きく異なる労働条件、未払い賃金等に関係する場合は、退職面談で一身上の都合とだけ話して終わらせる前に、必要な資料を確認しておく意味があります。
- 雇用契約書・労働条件通知書
- 就業規則・賃金規程
- 勤怠記録・給与明細
- 問題となった出来事の日時・場所・内容
- 会社へ相談した日時・相手・内容
- 会社からの回答・対応
退職面談では簡潔に話すことを選んでも、正式な相談まで曖昧にする必要はありません。
会社との労働問題について相談先を探す場合、厚生労働省の総合労働相談コーナーでは、解雇、雇止め、配置転換、賃金、いじめ・嫌がらせ等を含む幅広い労働問題の相談を受け付けています。厚生労働省 総合労働相談コーナー
離職票の離職理由は退職面談の言い回しとは別に確認する
退職面談では角を立てないため簡潔な表現を使ったとしても、雇用保険上の離職理由まで事実と違う内容でよいという意味ではありません。
厚生労働省は、離職票に記載された離職理由が実際の離職理由と違う場合、雇用保険の受給手続時にハローワークへその旨を伝え、離職理由を証明する書類等があれば持参するよう案内しています。ハローワークは本人の主張、証拠書類、事業主の主張等を確認して離職理由を判断します。厚生労働省 雇用保険Q&A
ハローワークインターネットサービスでも、離職理由は事業主一方の主張だけで決まるものではなく、双方の主張と客観的資料を確認してハローワークが判定すると説明しています。ハローワーク よくあるご質問
したがって、退職理由を書面上すべて一身上の都合と表現したことだけで、雇用保険上の離職理由が機械的に決まると考えない方がよいでしょう。
人事側の経験|退職理由の美しさより意思と実務調整を分けていた
私が調剤薬局チェーンで人事に携わっていた範囲でも、退職理由を確認することはありました。
ただ、退職理由を聞く意味は大きく二つに分けて考えていました。
一つは、会社として改善できる問題があるかを知ることです。給与、配属、人間関係、業務量等が理由で、本人も条件変更を希望するなら、対応可能か検討できる場合があります。
もう一つは、退職意思が確定している人について、退職日、引き継ぎ、残っている業務等を調整することです。
後者の人に対して、会社が納得するまで退職理由を詳しく話してもらうこと自体を目的とは考えていませんでした。
また、本人が給与を理由にしているのに、キャリアアップへ言い換えた方が前向きで評価できる、と一律に見ていたわけでもありません。
事実と、本人が会社へ何を求めているのか、次に何を希望しているのかが分かる方が状況を理解しやすいと感じていました。
これは私自身の人事経験であり、すべての会社・人事担当者が同じ対応をするという意味ではありません。
転職面接では前職への不満だけで終わらず次の条件まで説明する
次の会社の採用面接で転職理由を聞かれた場合、前職の問題を一切話してはいけないわけではありません。
ただし、前職の問題を説明するだけでは、応募先で何を実現したいのかが分かりません。
前職では繁忙期だけでなく通常月も時間外勤務が継続し、今後の働き方を見直しました。次の職場では勤務時間を安定させながら、調剤・患者対応の経験を継続したいと考えています。御社では通常月と繁忙月の時間外勤務はどの程度でしょうか。
人間関係が理由の場合も、誰が嫌だったかを長く説明するより、次にどのような組織・相談体制・役割を希望するかまで整理します。
退職理由は、過去の職場をどう評価するかだけでなく、次の職場選びの条件へ変換することが重要です。
退職面談で感情が出ても、伝える項目をメモしておけばよい
つらい経緯があれば、退職面談で声が震えたり感情が出たりすることもあります。
冷静に話せる方が意思を伝えやすいことはありますが、感情が出たこと自体を失敗と考える必要はありません。
不安がある場合は、退職意思、希望退職日、会社へ確認したい事項、伝える退職理由の範囲をメモして持参します。
社内の特定人物との面談に強い不安がある場合は、人事・相談窓口等へ事前に相談できるか確認する方法もあります。
保存用|退職理由の最終チェック
| 確認項目 | ○ | 要確認 | 次に行うこと |
|---|---|---|---|
| 架空の退職理由を作っていない | |||
| 退職意思が確定しているか整理した | |||
| 条件変更なら残る可能性があるか整理した | |||
| 現在の会社へ伝える範囲を決めた | |||
| 話す必要のない個人情報を分けた | |||
| 正式に記録・相談すべき問題を分けた | |||
| 退職日・退職手続を確認した | |||
| 引き止め時の自分の方針を決めた | |||
| 離職理由の記載を確認する予定を立てた | |||
| 転職面接で次に求める条件まで説明できる |
この表は、円満退職の点数を付けるためのものではありません。
要確認になった項目を一つずつ整理し、退職理由と退職手続を混同しないために使います。
まとめ|退職理由は隠すのでも全部話すのでもない
- 退職するために架空の前向きな理由を作らない
- 退職に不要な不満・個人情報まで詳しく話す必要もない
- 現在の会社へ伝える内容、正式に記録する内容、次の会社へ伝える内容を分ける
- 退職意思が固いなら理由を増やすより退職日・手続へ話を戻す
- 条件変更なら残る可能性があるなら条件を具体的に確認する
- ハラスメント・労働条件の問題は曖昧な退職理由へ変換せず事実を記録する
- 健康・家庭事情は必要な範囲だけ伝える
- 退職願・退職届、引き継ぎ、有休等は退職理由とは別の手続として確認する
- 離職票の離職理由は実際の離職経緯と合っているか確認する
- 転職面接では前職の問題だけで終わらず、次に求める仕事・条件まで説明する
退職理由を上手に言い換えることより、自分の意思、事実、会社へ求める対応、次の職場へ求める条件を分けることが重要です。
現在の会社には必要な範囲を伝え、正式な対応が必要な問題は別に記録し、次の会社では今回の転職で何を変えたいかまで説明すれば、事実を曲げずに退職・転職の話を進めやすくなります。
参考にした公的資料
- 厚生労働省 労働契約の終了
- 大阪労働局 退職・解雇・雇止めQ&A
- 厚生労働省 年次有給休暇
- 厚生労働省 雇用保険Q&A
- ハローワーク 雇用保険についてのよくあるご質問
- 厚生労働省 総合労働相談コーナー
FAQ
- 退職理由は一身上の都合だけでもよいですか?
-
無期労働契約の退職について、厚生労働省が示す基本ルールは退職の申出であり、詳細な不満の説明が退職成立の条件として示されているわけではありません。会社所定の手続や契約形態は確認してください。会社へ正式な対応を求めたい問題がある場合は、退職理由とは別に具体的な事実を整理します。
- 給与が低いことが理由でも伝えてよいですか?
-
給与が実際の理由なら、存在しないキャリア目標へ言い換える必要はありません。退職意思が固いなら、勤務条件を見直した結果として退職すると簡潔に伝えられます。給与改定なら残る可能性がある場合は、希望条件を具体的に伝える方法があります。
- 人間関係が理由なら相手の名前を伝えるべきですか?
-
単に相性が合わないため退職するのであれば、個人名まで詳しく説明しない選択があります。一方、ハラスメント等について会社へ正式な対応を求める場合は、誰が悪いかという評価ではなく、日時・言動・相談経緯等の確認可能な事実を整理します。
- 健康上の退職理由は病名まで話す必要がありますか?
-
退職理由を伝えるために病名・治療内容を必要以上に詳しく説明する必要があるとは限りません。勤務配慮、休職、退職時期の調整、労災等の手続を求める場合は、その手続に必要な情報・書類を別途確認してください。
- 会社が退職を認めないと言ったら辞められませんか?
-
期間の定めのない労働契約について、厚生労働省は退職申出から14日を経過したときは退職となるという基本ルールを案内しています。ただし、実際の退職日を巡る争いでは契約形態・賃金形態・就業規則等も確認が必要です。有期契約には別のルールがあります。揉めている場合は公的相談窓口等へ確認してください。
- 引き止めを受けたら別の理由を追加した方がよいですか?
-
退職意思が変わらないなら、新しい理由を追加して会社を説得する必要はありません。退職意思は変わらないことを伝え、退職日・手続・引き継ぎの話へ戻します。条件変更なら残る可能性がある場合だけ、具体条件を確認して検討します。
- 転職先の会社名は伝える必要がありますか?
-
厚生労働省が示す無期労働契約の退職の基本ルールでは、次の勤務先名の開示が退職成立の条件として示されているわけではありません。一方、秘密保持・競業避止等の契約がある場合は別の論点なので、個別の契約内容を確認してください。
- 退職前に残っている有給休暇は使えますか?
-
年次有給休暇は原則として労働者が取得時季を指定します。厚生労働省は、退職日をもって年休権が消滅するため、退職間近の残存年休について退職後の時季へ変更することはできず、使用者は時季変更権を行使できないと説明しています。引き継ぎと取得予定は早めに調整すると実務上スムーズです。
- 離職票が自己都合になっていて実際の経緯と違う場合はどうしますか?
-
雇用保険の受給手続時に、ハローワークへ離職理由が実態と異なることを伝えられます。証拠書類等があれば持参し、本人と事業主双方の説明や資料を確認したうえでハローワークが離職理由を判断します。

