- オンライン服薬指導そのものが2026年に廃止されたのか
- 旧・在宅患者オンライン薬剤管理指導料59点が現在どの区分になったか
- 服薬管理指導料4イ・ロ・ハ・ニの対象患者と点数
- 4ロ・4ハの算定回数、訪問薬剤管理指導との関係、加算制限
- 介護老人福祉施設等へのオンライン服薬指導の考え方
- 通信費・配送費、薬剤受領確認などオンライン実施時の注意点
- 2026年7月30日までの訂正通知・疑義解釈を含め、実際の請求前に何を確認するか
オンライン服薬指導そのものが廃止されたわけではありません。
2026年度調剤報酬改定では、従来の在宅患者オンライン薬剤管理指導料と在宅患者緊急オンライン薬剤管理指導料という独立した算定項目がなくなり、情報通信機器を用いた服薬指導を評価する服薬管理指導料4へ再編されました。
旧・在宅患者オンライン薬剤管理指導料59点に対応する中心的な区分が服薬管理指導料4ロ59点、状態の急変等に伴うオンライン指導が4ハ59点です。
オンライン薬剤管理指導料が廃止されたと聞くと、在宅患者へのオンライン服薬指導自体が使えなくなったように見えるかもしれません。しかし、2026年度改定で起きたのはオンライン服薬指導そのものの廃止ではなく、算定体系の再編です。
旧制度の情報だけを見ると、59点が消えたのか、服薬管理指導料4が新しく59点を作ったのか、在宅訪問との算定回数がどうなったのかが分かりにくくなります。
2026年8月16日時点では、厚生労働省の調剤報酬点数表、6月19日訂正版の留意事項、7月30日までの訂正通知・疑義解釈が公表されています。実際の算定・請求では、その後に追加された更新がないかも確認してください。
私は調剤薬局チェーンで人事・経営企画に携わった経験があります。制度改定後の実務では、点数表の確認に加えて、レセコン設定、手順書、研修資料、算定チェックの更新が必要になります。ただし、個別患者の算定可否は経験だけで判断せず、厚生労働省の最新の告示・通知・疑義解釈で確認してください。
結論|オンライン服薬指導そのものは廃止されていない
2026年度の調剤報酬点数表では、区分番号10の3の服薬管理指導料4として、情報通信機器を用いた服薬指導が明確に残っています。
| 区分 | 主な対象 | 点数 |
|---|---|---|
| 4イ | 原則3月以内に再度処方箋を提出した患者等 | 45点 |
| 4ロ | 在宅療養中で通院困難な患者。4ハを除く | 59点 |
| 4ハ | 4ロの対象患者のうち状態の急変等を伴うもの | 59点 |
| 4ニ | 4イ~ハ以外。初回、3月超の再来、手帳未提示等 | 59点 |
したがって、2026年6月以降もオンライン服薬指導の報酬評価は存在します。変わったのは、従来在宅薬学管理料の中で独立項目として置かれていた在宅オンライン関連の59点が、服薬管理指導料4の中へ整理されたことです。
2026年改定で何が変わった?旧項目と服薬管理指導料4の対応
令和6年度の調剤報酬点数表では、在宅患者訪問薬剤管理指導料の注として在宅患者オンライン薬剤管理指導料59点が規定されていました。また、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料の中には、一定の場合の在宅患者緊急オンライン薬剤管理指導料59点がありました。
2026年6月からは、これらの名称で独立して算定するのではなく、服薬管理指導料4ロ・ハとして確認します。
| 2026年5月まで | 2026年6月から | 点数 |
|---|---|---|
| 在宅患者オンライン薬剤管理指導料 | 服薬管理指導料4ロ | 59点 → 59点 |
| 在宅患者緊急オンライン薬剤管理指導料 | 服薬管理指導料4ハ | 59点 → 59点 |
旧制度の確認:厚生労働省|令和6年度 調剤報酬点数表
ここで注意したいのは、59点が同じだから実務も完全に同じとは限らないことです。一方で、同じ2026年度改定で変更されたかかりつけ薬剤師評価や在宅薬学総合体制加算まで、すべてをオンライン59点の変更内容として数えるのも正確ではありません。
2026年度改定では、服薬管理指導料4への再編と、かかりつけ薬剤師評価や在宅関連加算等の変更が同時に行われています。これらは別の制度変更なので、服薬管理指導料4の算定要件と混同しないよう分けて確認してください。
服薬管理指導料4の点数|4イ45点・4ロ/ハ/ニ59点
4イ|3月以内の再来+手帳提示、介護老人福祉施設等の患者
留意事項では4イについて、原則3月以内に再度処方箋を持参した患者で手帳を提示したもの、または介護老人福祉施設等の患者が対象として整理されています。
点数は45点です。介護老人福祉施設等の患者へ情報通信機器を用いた薬剤管理指導を行う場合、服薬管理指導料3と4イを合わせて月4回までです。
4ロ|在宅療養中で通院困難な患者へのオンライン指導
4ロは、在宅で療養している通院困難な患者のうち4ハに該当しない場合です。点数は59点です。
留意事項では、訪問薬剤管理指導を行っている保険薬局が対象患者に情報通信機器を用いた薬剤管理指導を行う場合とされ、訪問薬剤管理指導と同日に行う場合は除かれます。
4ハ|状態の急変等を伴う在宅患者へのオンライン指導
4ハは、4ロの対象となる在宅療養中・通院困難な患者のうち、状態の変化等を伴う場合です。点数は59点です。
留意事項では、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料1・2と合わせた算定回数が規定されています。4ロとは、通常の在宅オンライン指導か、状態変化等に伴う緊急性のあるオンライン指導かという点が大きな違いです。
4ニ|4イ~ハ以外のオンライン服薬指導
4ニは、4イ~ハに該当しない患者で、初めて処方箋を提出した患者、3月を超えて再度処方箋を提出した患者、3月以内の再来でも手帳を提示していない患者等が対象です。点数は59点です。
留意事項:厚生労働省|令和8年度 調剤報酬点数表に関する事項(6月19日訂正版)
オンラインだから4ロとは限らない|最初に患者区分を判定する
旧・在宅患者オンライン薬剤管理指導料を使っていた薬局では、オンライン=在宅59点という感覚が残りやすいですが、2026年6月以降の服薬管理指導料4は4イ・ロ・ハ・ニの4区分です。
最初に確認するのは、オンラインで実施したという事実だけではなく、患者がどの区分に該当するかです。
| 確認順 | 確認する内容 | 該当区分の目安 |
|---|---|---|
| 1 | 在宅療養中で通院困難か | 該当するなら4ロ・4ハを確認 |
| 2 | 状態の変化等を伴うか | 該当するなら4ハ、該当しなければ4ロ |
| 3 | 介護老人福祉施設等の患者か | 4イの対象を確認 |
| 4 | 3月以内の再来で手帳提示があるか | 4イを確認 |
| 5 | 初回、3月超、手帳未提示等か | 4ニを確認 |
特に手帳の扱いには注意が必要です。留意事項では、原則として手帳により薬剤服用歴等や服用中の医薬品等を確認し、関係者が継続的・一元的に確認できるよう必要な情報を手帳に添付または記載することとされています。
また、4イの患者であって手帳を提示しない場合に情報通信機器を用いた必要な指導等を行ったときは、点数表上4ニで算定する取扱いがあります。3月以内の再来という日数だけで4イへ固定しないことが重要です。
旧制度からの移行で更新したい院内・店舗マニュアル
2026年5月以前の手順書やレセコン周辺資料を残している薬局では、旧名称だけを新名称へ置換して終わらせない方が安全です。
少なくとも次の記載が旧制度のまま残っていないか確認します。
| 旧マニュアルで確認する項目 | 2026年6月以降の確認 |
|---|---|
| 在宅患者オンライン薬剤管理指導料という名称 | 服薬管理指導料4ロへ再編 |
| 在宅患者緊急オンライン薬剤管理指導料という名称 | 服薬管理指導料4ハへ再編 |
| 旧来の算定間隔説明 | 現行の月・週単位の算定上限を確認 |
| オンライン患者を一律に同じ区分で処理する手順 | 4イ・ロ・ハ・ニの患者区分を確認 |
| 加算一覧 | 4ロ・4ハで算定しない加算を更新 |
| 配送手順 | 費用説明と受領確認を明確化 |
人事・経営企画の立場で制度改定対応に関わると、制度資料の読み違いだけでなく、古い手順書、研修資料、チェックリスト、レセコン上の表示名が混在することで現場の認識がずれることがあります。改定後は資料を一本ずつ更新するより、旧名称が残っている文書を横断的に検索して洗い出す方が漏れを見つけやすくなります。
4ロの算定要件|訪問との関係・月4回・週1回を確認する
4ロは59点という数字だけでなく、訪問薬剤管理指導との組み合わせを確認する必要があります。
- 訪問薬剤管理指導を行っている保険薬局であること
- 在宅療養中で通院が困難な患者であること
- 情報通信機器を用いた薬剤管理指導を行うこと
- 訪問薬剤管理指導と同日に行う場合は除く
- 在宅患者訪問薬剤管理指導料1~3と4ロを合わせて原則月4回
- 一定の例外患者では週2回かつ月8回
現在の点数表・留意事項では、末期悪性腫瘍、注射による麻薬投与が必要な患者、中心静脈栄養法の対象患者について、訪問分と合わせて週2回かつ月8回までとされています。
さらに6月19日訂正版の留意事項では、通常患者について在宅患者訪問薬剤管理指導料と4ロを月2回以上算定する場合、算定回数は週1回を限度としています。例外患者は訪問分と合わせて週2回・月8回です。
旧制度では算定日の間隔に6日以上という考え方が使われていましたが、2026年度は現行の週単位の規定を確認して請求する必要があります。古いマニュアルを残している薬局では、この部分を更新対象として確認してください。
また、保険薬剤師1人について、在宅患者訪問薬剤管理指導料1~3と合わせて週40回までという上限も留意事項にあります。
4ロで起きやすい算定確認|同日・月回数・週回数・週40回
4ロは複数の上限が重なるため、月4回という数字だけを確認しても十分ではありません。
訪問薬剤管理指導と同日ではないか
4ロは、訪問薬剤管理指導と同日に情報通信機器を用いた薬剤管理指導を行う場合を除くとされています。患者のフォローをオンラインで行った事実があっても、同日に算定できるとは限りません。
月4回は訪問分と合わせて数える
通常患者では、在宅患者訪問薬剤管理指導料1~3と4ロを合わせて月4回です。4ロだけを4回算定できるという意味ではありません。
月2回以上なら週1回の上限も確認する
6月19日訂正版の留意事項では、通常患者について訪問分と4ロを月2回以上算定する場合、算定回数は週1回を限度としています。月の上限だけでなく、週単位でも確認します。
保険薬剤師1人につき週40回の上限
4ロは、保険薬剤師1人について在宅患者訪問薬剤管理指導料1~3と合わせて週40回までとされています。患者単位の回数だけでなく、薬剤師単位の上限も別に確認する必要があります。
施設在宅やオンライン対応件数が多い薬局では、患者別チェックだけではなく薬剤師別の週次集計を用意しておくと確認しやすくなります。
4ハの算定要件|状態の変化等に伴うオンライン指導
4ハは、在宅療養中で通院困難な患者のうち、状態の変化等を伴う場合に情報通信機器を用いて必要な指導等を行う区分です。
6月19日訂正版の留意事項では、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料1・2と4ハを合わせて原則月4回、末期悪性腫瘍または注射による麻薬投与が必要な患者では月8回としています。この場合、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料は算定できないとされています。
2026年度の調剤報酬点数表では4ハについて、末期悪性腫瘍、注射による麻薬投与が必要な患者、中心静脈栄養法の対象患者を例外とし、週2回かつ月8回までと記載されています。
一方、6月19日訂正版の留意事項の4ハでは、例外として末期悪性腫瘍と注射による麻薬投与が必要な患者を挙げ、月8回と記載されており、この箇所には中心静脈栄養法や週2回という文言がありません。
2026年7月30日には改定関連通知の追加訂正と疑義解釈その11も公表されています。実際の算定・請求では、点数表だけ、留意事項だけで自己判断せず、最新の訂正通知・疑義解釈と管轄厚生局の案内を確認してください。
最新通知一覧:中国四国厚生局|医療保険関係通知(令和8年度)
4ハを4ロの緊急版だけで処理しない|緊急訪問との関係も確認する
4ハは状態の変化等を伴う在宅患者へのオンライン指導ですが、請求時には在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料との関係も確認します。
留意事項では、4ハを算定する場合は在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料1・2と合わせた月回数を確認し、この場合に在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料は算定できないとしています。
そのため、患者の状態が変化した、オンラインで対応したという事実だけで4ハを機械的に選ぶのではなく、当日の対応内容、緊急訪問の有無、同月の算定状況を確認します。
また、4ハの例外回数は点数表と6月19日訂正版留意事項で記載が一致していない部分があります。薬局独自にどちらかを採用するのではなく、最新の訂正通知・疑義解釈を含めた運用確認が必要です。
旧59点から点数は変わった?変更点と継続点を分ける
旧・在宅患者オンライン薬剤管理指導料と、現在の4ロを比べると、基本点数は59点のままです。旧・在宅患者緊急オンライン薬剤管理指導料と4ハも59点です。
したがって、59点が一律に引き下げられたという理解は誤りです。
| 確認事項 | 2026年改定後 |
|---|---|
| オンライン服薬指導自体 | 継続。服薬管理指導料4で評価 |
| 在宅通常オンライン | 4ロ59点 |
| 状態変化等の在宅オンライン | 4ハ59点 |
| 算定体系 | 服薬管理指導料4イ~ニとして整理 |
| 算定回数 | 現在の点数表・留意事項に従って確認 |
| 加算 | 4ロ・4ハでは算定できない加算がある |
制度改定を59点が残ったかだけで評価せず、患者区分、回数、訪問との関係、加算制限までセットで確認してください。
4ロ・4ハでは併算定できない加算がある
2026年度点数表では、服薬管理指導料4ロ・4ハを算定する場合、複数の加算について算定しないことが明記されています。
| 加算 | 4ロ・4ハとの関係 |
|---|---|
| 特定薬剤管理指導加算1 | 4ロ・4ハでは算定しない |
| 特定薬剤管理指導加算2 | 4ロ・4ハでは算定しない |
| 特定薬剤管理指導加算3 | 4ロ・4ハでは算定しない |
| 吸入薬指導加算 | 4ロ・4ハでは算定しない |
| 麻薬管理指導加算 | 22点の規定あり |
特定薬剤管理指導加算1は、新規のハイリスク薬等に対する10点や用法・用量変更等に対する5点、特定薬剤管理指導加算2は月1回100点、特定薬剤管理指導加算3は5点または10点ですが、4ロ・4ハでは算定しないことが点数表に書かれています。
また吸入薬指導加算30点も4ロ・4ハでは算定しません。
一方、麻薬管理指導加算は情報通信機器を用いた服薬指導を含む現在の服薬管理指導料で22点の規定があります。旧・在宅患者オンライン薬剤管理指導料でもオンラインの場合は22点でした。
併算定可否は患者の状況や他の算定項目にも関係するため、ここに挙げた項目だけで全レセプトを判断せず、実請求では最新点数表と留意事項を確認してください。
介護老人福祉施設等へのオンライン服薬指導は4イで確認する
介護老人福祉施設等の患者へのオンライン服薬指導は、在宅4ロ・4ハとは別に4イの対象として確認します。
留意事項では、介護老人福祉施設等の患者に情報通信機器を用いた薬剤管理指導を行った場合、服薬管理指導料3と4イを合わせて月4回までとされています。
介護老人福祉施設等へのオンライン服薬指導は、4ロ・4ハの変更事項としてではなく、服薬管理指導料4全体の患者区分として確認する方が制度構造を誤りにくくなります。
通信費・配送費は別途徴収できる?薬剤受領確認も必要
オンライン服薬指導では、点数だけでなく患者から別途受ける費用も確認が必要です。
2026年度留意事項では、情報通信機器の運用に要する費用と、医薬品等を患者へ配送する際に要する費用について、療養の給付と直接関係しないサービス等の費用として、社会通念上妥当な額の実費を別途徴収できるとしています。
また、薬剤を患者へ配送する場合は受領の確認を行うことも明記されています。
したがって店舗マニュアルでは、オンライン実施手順だけでなく、配送方法、費用説明、受領確認の記録方法まで確認しておく必要があります。
オンライン実施時の基本事項|指導内容・手帳・費用・配送を一体で確認する
服薬管理指導料4は、ビデオ通話等を実施しただけで算定するものではありません。留意事項ではオンライン服薬指導等により、服薬管理指導料で求められる必要な指導等を行うことが前提です。
オンライン固有の確認としては、次の4点を押さえます。
- 必要な指導等:通常の服薬管理指導で求められる事項をオンラインでも実施する
- 手帳:薬剤服用歴等を経時的に把握し、必要な情報を継続的・一元的に確認できるようにする
- 費用:通信機器の運用費や配送費を別途徴収する場合は社会通念上妥当な実費とする
- 配送:薬剤を配送した場合は患者による受領を確認する
オンライン対応を担当する薬剤師だけでなく、受付、調剤、配送手配、会計、レセプト請求を担当するスタッフまで同じルールを共有しておくと、費用説明や受領確認の抜けを防ぎやすくなります。
よくある誤解|2026年の服薬管理指導料4を旧制度のまま読まない
| 誤解しやすい点 | 現在の整理 |
|---|---|
| オンライン薬剤管理指導料が廃止されたのでオンライン服薬指導も終了した | オンライン服薬指導は服薬管理指導料4として継続 |
| オンラインはすべて59点 | 4イは45点。4ロ・4ハ・4ニは59点 |
| 在宅オンラインなら全部4ロ | 状態変化等を伴う場合は4ハを確認 |
| 月4回なら好きな日に4回算定できる | 4ロでは週1回上限等も確認する |
| 4ロ・4ハでも通常の加算をすべて付けられる | 特定薬剤管理指導加算1~3や吸入薬指導加算等に制限あり |
| 同年度の在宅加算改定はすべて4への統合の一部 | 周辺制度の変更と服薬管理指導料4への再編は分けて確認 |
実務で薬局が確認したい変更点
調剤報酬改定は、点数表を読んで終わりではありません。調剤薬局で人事・経営企画に関わった経験から見ると、制度変更後に事故が起きやすいのは、古い算定名称や手順が現場に残ったまま運用されるときです。
2026年6月以降は、少なくとも次の項目を確認します。
- レセコン・請求項目:旧オンライン薬剤管理指導料の名称が残っていないか
- 患者区分:4イ・ロ・ハ・ニのどこに該当するか
- 算定回数:訪問分、緊急訪問分と合算して上限を超えないか
- 同日算定:4ロと訪問薬剤管理指導の同日実施になっていないか
- 加算:4ロ・4ハと併算定できない加算を請求していないか
- 配送:配送費の説明、薬剤の受領確認ができているか
- 手帳:4イ・4ニの区分に関係する手帳提示の確認
- 最新通知:訂正通知や疑義解釈で取扱いが追加されていないか
薬剤師個人の市場価値や給与へ結びつけるのではなく、まず算定の正確性と患者対応の手順を整えることが制度改定対応の基本です。
2026年度改定は訂正通知・疑義解釈まで確認する
2026年度診療報酬改定は、2月の答申や3月5日の告示だけで運用が完成しているわけではありません。
2026年8月16日時点で、厚生局の通知一覧には7月30日の改定関連通知・官報掲載事項の一部訂正と、疑義解釈資料その11まで掲載されています。
したがって、実際の算定可否を確認するときは次の順で見ると整理しやすくなります。
- 現行の調剤報酬点数表
- 実施上の留意事項
- その後の訂正通知
- 疑義解釈
- 必要に応じて管轄地方厚生局の案内
厚生労働省の改定ページ:令和8年度診療報酬改定について
2026年度改定全体を確認したい場合は、2026調剤報酬改定の全解説|元人事部長が薬剤師への影響を読み解くも参照してください。
かかりつけ薬剤師訪問加算230点については、かかりつけ薬剤師訪問加算230点とは?2026年改定の算定要件・対象患者・注意点を解説で詳しく整理しています。
請求前に公式資料を確認するときの読み方
診療報酬では、点数表だけ読んでも実際の運用が分からないことがあります。反対に留意事項だけを読んで、点数表本文の例外を見落とすこともあります。
服薬管理指導料4では、次のように資料ごとの役割を分けて確認すると整理しやすくなります。
| 資料 | 主に確認すること |
|---|---|
| 調剤報酬点数表 | 点数、患者区分、算定回数、加算・併算定制限の本体 |
| 留意事項 | 各区分の具体的な対象、実施方法、回数、手帳、通信・配送等の運用 |
| 訂正通知 | 告示・通知の誤記や記載内容の修正 |
| 疑義解釈 | 実務で生じた疑問に対する追加の取扱い |
| 地方厚生局 | 最新通知の掲載状況、届出・個別照会等 |
特に4ハのように点数表と留意事項で例外部分の書きぶりが異なる箇所は、一つの資料だけを根拠に結論を固定しないことが重要です。
保存用|服薬管理指導料4の算定前確認シート
この表は、オンライン服薬指導を行った後の請求前確認に使うための記入用シートです。実際の算定可否は最新通知と自薬局の患者情報で確認してください。
| 確認項目 | 確認結果 |
|---|---|
| 4イ・ロ・ハ・ニのどの区分か | |
| 在宅療養中・通院困難に該当するか | |
| 状態の変化等を伴うか | |
| 訪問薬剤管理指導と同日ではないか | |
| 同月の訪問+オンラインの回数 | |
| 週単位の算定上限 | |
| 例外患者に該当するか | |
| 特定薬剤管理指導加算1~3を算定していないか | |
| 吸入薬指導加算を算定していないか | |
| 麻薬管理指導加算等の対象か | |
| 配送費・通信費を説明したか | |
| 薬剤を配送した場合の受領確認 | |
| 最新の訂正通知・疑義解釈を確認したか |
参考にした主な一次資料
- 厚生労働省|令和8年度 調剤報酬点数表
- 厚生労働省|令和8年度 調剤報酬点数表に関する事項(6月19日訂正版)
- 厚生労働省|令和6年度 調剤報酬点数表
- 厚生労働省|令和8年度診療報酬改定について
- 中国四国厚生局|令和8年度の訂正通知・疑義解釈一覧
FAQ
- オンライン服薬指導自体が2026年に廃止されたのですか?
-
いいえ。オンライン服薬指導そのものは残っています。2026年度改定では、情報通信機器を用いた服薬指導を服薬管理指導料4で算定する体系へ再編されました。
- 在宅患者オンライン薬剤管理指導料59点は何になりましたか?
-
在宅療養中で通院困難な患者への通常のオンライン薬剤管理指導は、現在は服薬管理指導料4ロ59点として確認します。
- 在宅患者緊急オンライン薬剤管理指導料59点は何になりましたか?
-
在宅療養中で通院困難な患者のうち、状態の変化等に伴うオンライン薬剤管理指導は、服薬管理指導料4ハ59点として整理されています。
- 服薬管理指導料4ロは月何回までですか?
-
在宅患者訪問薬剤管理指導料1~3と4ロを合わせて原則月4回です。通常患者で月2回以上算定する場合は週1回が限度です。末期悪性腫瘍、注射による麻薬投与が必要な患者、中心静脈栄養法の対象患者については別の上限があります。
- 服薬管理指導料4ハは週2回・月8回までですか?
-
2026年度点数表では一定の例外患者について週2回かつ月8回と記載されていますが、6月19日訂正版の留意事項の4ハでは例外患者や回数の書きぶりに差があります。2026年7月30日の訂正通知・疑義解釈その11も含め、実際の請求時は最新の公式資料を確認してください。
- 特定薬剤管理指導加算1・2・3は4ロ・4ハと併算定できますか?
-
2026年度点数表では、服薬管理指導料4ロ・4ハを算定する場合、特定薬剤管理指導加算1・2・3は算定しないことが明記されています。
- 介護老人福祉施設等の患者へオンライン服薬指導をした場合はどの区分ですか?
-
留意事項では介護老人福祉施設等の患者は服薬管理指導料4イの対象として整理されています。服薬管理指導料3と4イを合わせて月4回までです。
- オンライン服薬指導の通信費や薬の配送費は患者へ請求できますか?
-
留意事項では、情報通信機器の運用費用や医薬品等の配送費について、療養の給付と直接関係しないサービス等の費用として社会通念上妥当な額の実費を別途徴収できるとしています。薬剤を配送した場合は受領確認も必要です。
- 実際に請求する前に何を確認すればよいですか?
-
現行点数表、留意事項、その後の訂正通知、疑義解釈を順に確認してください。2026年8月16日時点では7月30日の訂正通知と疑義解釈その11まで公表されています。個別に不明な場合は管轄の地方厚生局への確認も検討します。
まとめ|独立項目は廃止されたがオンライン指導は服薬管理指導料4へ再編された
2026年度改定で廃止されたのは、在宅患者オンライン薬剤管理指導料・在宅患者緊急オンライン薬剤管理指導料という旧来の独立した算定項目です。
オンライン服薬指導そのものは服薬管理指導料4として継続しています。
- 旧・在宅患者オンライン59点は4ロ59点として確認する
- 旧・緊急オンライン59点は4ハ59点として確認する
- 服薬管理指導料4は4イ45点、4ロ・ハ・ニ59点の4区分
- 4ロは訪問と同日不可、訪問分と合わせた回数・週上限を確認する
- 4ロ・4ハでは特定薬剤管理指導加算1~3、吸入薬指導加算などに制限がある
- 通信費・配送費は一定の実費を別途徴収でき、配送時は受領確認が必要
- 4ハは公式資料間の書きぶりに差があるため、最新訂正・疑義まで確認する
制度改定を薬剤師個人の年収や市場価値へ直結させるのではなく、まず現在の患者区分、算定回数、加算、記録・請求手順を正しく更新することが重要です。
