薬剤師のクレーム対応|患者の不満・医療安全・カスハラを分けて考える方法

この記事はこんなときに見返せます
  • 患者から説明不足・待ち時間・薬の変更などについて強い不満を受けたとき
  • まず謝るべきか、事実確認を優先すべきか迷ったとき
  • 副作用や調剤上の問題が疑われ、通常のクレーム対応から切り替える必要があるとき
  • 強い言動を受け、担当薬剤師一人で対応を続けてよいか迷ったとき
  • 患者からの申出を記録・共有するとき
  • 同じ種類の苦情を薬局の業務改善へつなげたいとき

薬局で働いていると、患者から説明が分からない、聞いていない、待ち時間が長い、薬が変わって不安だ、料金の理由が分からない、といった申出を受けることがあります。

こうした場面で、使いやすい言い換えを覚えることだけでは十分ではありません。

患者の申出には、通常の不満・苦情だけでなく、薬の使用後の体調変化、調剤上の問題、記録との食い違い、職員の安全確保が必要な言動などが含まれる場合があります。

したがって、薬剤師が最初に行うべきことは、相手を言葉で納得させることではなく、何が起きているのかを確認し、患者安全上の問題がないかを見極め、必要な説明・謝意・謝罪・確認・エスカレーション・記録へつなげることです。

薬剤師法第25条の2では、調剤した薬剤の適正な使用のため、患者等へ必要な情報を提供し、必要な薬学的知見に基づく指導を行うことが定められています。また、必要があると認める場合には、薬剤の使用状況を継続的かつ的確に把握し、必要な情報提供・指導を行うことも定められています。厚生労働省 薬剤師法

この記事では、服薬指導の話し方そのものではなく、患者から不満・苦情を受けた後の対応に絞って整理します。

制度情報は2026年8月時点で確認しています。

目次

30秒判定|患者の申出を4種類に分ける

患者から強い申出を受けたとき、最初から通常のクレーム対応として扱わないことが重要です。

分類最初に優先すること
1.通常の不満・苦情説明不足、待ち時間、案内方法、料金説明等申出・事実・要望を確認する
2.患者安全上の問題薬を使用後の体調変化、副作用を疑う症状等症状・経過・緊急性を確認し必要な医療対応へつなぐ
3.調剤・医療安全上の問題薬の取り違え、数量違い、別人情報の混入等通常の苦情対応から切り替え、責任者・医療安全手順へつなぐ
4.職員の安全確保が必要な言動暴力、脅迫、長時間拘束、著しい侮辱等一人で抱えず、複数名・責任者・組織で対応する

この4分類は患者へラベルを付けるためのものではありません。

いま優先すべきものが接遇なのか、患者安全なのか、医療安全なのか、職員の安全なのかを決めるための分類です。

クレーム対応の目的は患者の怒りを鎮めることではない

患者対応の目標を、怒りを鎮める、感謝へ変える、患者に納得して帰ってもらう、と置くと、事実確認や安全確認が後回しになる場合があります。

患者が不満を示した後に目指すのは、次の状態です。

  • 患者が何を申し出ているか確認できている
  • 患者の健康・安全上の問題がないか確認できている
  • 薬局側で確認すべき事実が明確になっている
  • 確認済みの事実と未確認事項が分かれている
  • 患者へ必要な説明ができている
  • 次に誰が何をするか決まっている
  • 責任者へ上げる必要があれば引き継がれている
  • 必要な内容が記録・共有されている

結果として患者の不安が軽くなることはありますが、それ自体を唯一の成功指標にはしません。

患者から不満を受けたときの基本5ステップ

1.まず申出の内容を確認する

患者が強い口調で話していると、薬剤師側も早く説明して誤解を解きたいと考えがちです。

しかし、何に不満を感じているかを確認する前に説明を始めると、論点がずれる場合があります。

まず、話を遮らずに要点を確認します。

対応例

確認させてください。今回一番確認したいのは、薬が変わった理由が分からない点でしょうか。それとも、薬そのものが前回と違って見える点でしょうか。

相手の言葉をそのまま繰り返すことが目的ではありません。自分の理解が合っているかを確認します。

2.事実・懸念・要望を分ける

患者の申出には、確認可能な事実、本人の懸念・感情、希望する対応が混ざっている場合があります。

区分
事実30分待った、前回と薬の名称が違う、請求額が前回と違う
懸念・感情薬を間違えられたのではないか、不安だった、軽く扱われたと感じた
要望理由を知りたい、薬を確認してほしい、責任者から説明してほしい

懸念や感情を否定する必要はありません。ただし、それを確認済みの事実と同じものとして扱わないようにします。

3.患者安全上の問題がないか確認する

患者が薬について不満を述べている場合、接遇上の問題に見えても、実際には健康上の問題が含まれることがあります。

  • すでに薬を服用・使用したか
  • 服用・使用後にどのような症状が出たか
  • 症状はいつ始まり、現在どうなっているか
  • 別の薬・食品等も使用していないか
  • 今すぐ医療的な対応が必要な状態ではないか

症状がある場合は、安心させるための説明を先にするのではなく、薬剤・患者情報を確認し、必要に応じて処方医等との連携や適切な医療対応へつなげます。

服薬指導全体の確認・説明・理解確認については、患者に伝わる服薬指導のコツ|薬剤師が5ステップ・質問例・理解確認を解説で詳しく整理しています。

4.確認できている事実について謝意・謝罪を伝える

患者対応では、とにかく最初に謝る、謝罪すると法的責任を認めることになるので何も謝らない、と両極端に考える必要はありません。

この記事では法的責任を判断するのではなく、実務上の情報整理として考えます。

確認状況対応の考え方
待たせた・説明が不足した等の事実を確認できている確認できている具体的な事実について謝罪し、必要な対応を説明する
原因・責任がまだ確認できていない不安・不便が生じていることへ配慮しつつ、薬局のミス・薬の影響等を断定せず確認する
患者安全・医療安全上の問題が疑われる謝罪表現の検討より、安全確保、事実確認、責任者報告を優先する
事実を確認できている場合の例

必要な説明が十分に伝わっていなかったようです。申し訳ありません。今確認したい点を整理して、改めてご説明します。

原因がまだ分からない場合の例

ご心配をおかけしています。まず処方内容と実際にお渡しした薬を確認します。そのうえで確認できた内容をご説明します。

5.次の対応を明確にし、必要なら責任者へ引き継ぐ

謝罪・説明をしても、患者が求めている問題が解決していなければ対応は終わりません。

  • 何が確認できたか
  • 何がまだ確認できていないか
  • 薬局で今できることは何か
  • 処方医・医療機関等への確認が必要か
  • 責任者判断が必要か
  • いつ、誰が、どの方法で回答するか

すぐに確認できない内容を、その場しのぎで回答しないことも重要です。

場面1|説明を聞いていないと言われた場合

患者から説明を聞いていないと言われた場合、最初から説明しましたと反論すると、説明した・していないという争いになりやすくなります。

まず患者が今どの情報を必要としているかを確認します。

対応例

必要な説明が十分伝わっていなかったようです。申し訳ありません。いま確認したいのは、飲む時間と、飲み忘れた場合の対応の2点でよろしいでしょうか。改めて確認してご説明します。

薬歴等に説明記録があっても、その記録を患者への反論材料として使うのではなく、前回何を説明し、今回どこを補足する必要があるかを確認する材料にします。

場面2|待ち時間について強い不満を受けた場合

待ち時間への不満は、薬剤師の話し方だけで解決できる問題ではありません。

実際に長く待たせているのであれば、まずその事実を確認し、現在の状況と今後の見込みを伝えます。

対応例

お待たせして申し訳ありません。現在、処方内容の確認に時間がかかっています。あと○分程度を見込んでいます。お急ぎでしたら、当薬局で案内できる受け取り方法があるか確認します。

見込み時間が分からない状態で、短い時間を約束してさらに遅れると不信感が増す場合があります。確認できない時間は断定せず、確認してから伝えます。

同じ待ち時間の苦情が繰り返されるなら、個々の薬剤師の接遇ではなく、人員配置、受付方法、調剤フロー、患者への案内方法等も確認します。

場面3|薬が前回と違うと言われた場合

前回と名称・外観が違う薬を見て、患者が間違いではないかと不安になることがあります。

このとき、同じ薬なので大丈夫ですと先に答えず、処方内容と実際に渡した薬を確認します。

  • 処方自体が変更されているのか
  • 後発医薬品・銘柄等の変更なのか
  • 供給事情等による変更なのか
  • 調剤上の問題がないか

説明できる変更なのか、医療安全上の確認へ切り替えるべきなのかを先に判断します。

場面4|患者の申出と薬局の記録が食い違う場合

患者の記憶と薬歴・受付記録・調剤記録等が一致しない場合があります。

その場で患者が間違っている、薬局の記録が間違っている、と決めつけません。

対応例

こちらの記録とお話に違いがあるようです。まず当日の記録と実際のお渡し内容を確認します。そのうえで確認できた内容をご説明します。

記録は重要な確認資料ですが、患者を言い負かすためのものではありません。複数の資料・関係者を確認し、事実を整理します。

場面5|料金・加算などの説明を求められた場合

患者から、前回より高い、なぜこの料金がかかるのか、と質問を受ける場合があります。

このときも、制度上そう決まっていますと説明して終えるのではなく、まず今回の請求内容を確認します。

  • 今回どの項目を算定しているか
  • 前回と何が異なるか
  • 薬局側で説明できる範囲はどこまでか
  • 事務・責任者等への確認が必要か

確認できていない算定要件や金額の理由を推測で説明しないようにします。必要なら確認後に回答します。

薬の取り違え・調剤過誤が疑われたら通常のクレーム対応から切り替える

患者から、違う薬が入っている、数量がおかしい、別人の名前が書かれている、といった申出があった場合は、接遇上の苦情として処理しません。

処方箋、調剤記録、現物等を確認し、勤務先の医療安全・インシデント対応手順に沿って管理薬剤師・責任者等へ報告します。

すでに薬を服用・使用している可能性がある場合は、使用状況・症状等も確認し、患者安全を優先して必要な医療対応へつなげます。

この場面では、患者の怒りを鎮めることより、患者安全と事実確認が先です。

調剤過誤・インシデント発生時の具体的な対応は、調剤過誤・インシデントが発生した場合の対応を確認するで整理しています。

通常の苦情とカスタマーハラスメントを混同しない

患者から厳しい言葉を受けたからといって、その申出がすべてカスタマーハラスメントになるわけではありません。

厚生労働省は、社会通念上許容される範囲で行われた正当な苦情・申入れはカスタマーハラスメントには当たらないと説明しています。厚生労働省 あかるい職場応援団 カスタマーハラスメントとは

2026年2月26日に公布された厚生労働省の指針では、職場におけるカスタマーハラスメントについて、顧客等の言動であり、社会通念上許容される範囲を超え、その結果として労働者の就業環境が害されるものという要素が示されています。厚生労働省 カスタマーハラスメント防止指針

したがって、現場の薬剤師が患者の言動を感覚だけでカスタマーハラスメントと断定するのではなく、勤務先の方針・相談体制・対応基準に沿って組織で判断することが重要です。

また、改正労働施策総合推進法等によるカスタマーハラスメント防止措置は、2026年10月1日から事業主の義務となります。2026年8月9日時点では施行前です。厚生労働省 職場におけるハラスメントの防止のために

保存用|一人で対応を続けないエスカレーション基準

対応が難しい患者に最後まで一人で対応できることを、薬剤師個人の能力と考える必要はありません。

状況対応の目安
通常の説明・苦情担当者が申出・事実・要望を確認し、説明する
その場で回答できない責任者等へ共有し、回答担当者・期限・方法を決める
医療安全上の問題通常対応から切り替え、管理薬剤師・責任者・医療安全手順へつなぐ
長時間拘束・著しい侮辱・同じ要求の反復等一人で続けず、複数名・責任者・本部等による組織対応へ切り替える
暴行・傷害・脅迫等、犯罪に該当し得る言動職員・周囲の安全確保を優先し、勤務先の手順に沿って警察への通報等を含めて対応する

厚生労働省の2026年カスタマーハラスメント防止指針でも、暴行・傷害・脅迫など犯罪に該当し得る言動では警察へ通報すること、現場対応が困難なら本社・本部等へ情報共有して指示を仰ぐこと、法的手続が必要なら法務部門等と連携して弁護士へ相談することが対処例として示されています。厚生労働省 カスタマーハラスメント防止指針

実際の対応方法は、言動の内容、切迫性、勤務先の方針・マニュアル等によって異なります。危険な状況で、薬剤師が単独で説得を続けることを前提にしないでください。

カスタマーハラスメントそのものへの組織対応は、薬剤師のカスハラ対策で詳しく確認してください。

対応をいったん区切った方がよい4つの場面

患者対応は、その場で完全に解決しなければならないとは限りません。

  1. 処方内容・記録・他部署等への追加確認が必要なとき
  2. 管理薬剤師・責任者等の判断が必要なとき
  3. 一人の対応が長時間化し、調剤・監査・他患者対応へ影響するとき
  4. 同じ説明・要求が反復し、その場で新しい確認が進まないとき

この場合は、何を確認するか、誰が確認するか、いつまでに、どの方法で回答するかを明確にします。

対応を区切る例

この点は処方内容と当日の記録を責任者と確認したうえで回答する必要があります。本日○時までにこちらからご連絡する形でよろしいでしょうか。

回答時刻を約束する場合は、実際に守れる範囲で設定します。

保存用|患者から苦情を受けたときの事実記録シート

患者から不満・苦情を受けた場合は、勤務先の記録ルールに沿って必要な内容を残します。

記録項目内容
日時・場所
対応者
患者からの申出
健康・安全上の問題
確認できた事実
未確認事項
患者の要望
薬局から説明した内容
謝意・謝罪を伝えた事実
分類通常苦情/患者安全/医療安全/組織対応
責任者・医師・本部等への共有
次の対応
回答期限・担当者
対応済み・未解決

記録は、自分が正しかったことを証明するためだけのものではありません。

次の担当者が、何が起き、何が確認済みで、何が未解決なのかを理解し、安全に対応を継続するために使います。

実患者との会話を個人端末へ安易に録音しない

患者対応を振り返るために録音したいと考えることがあります。

しかし、実際の患者との会話には健康情報・個人情報等が含まれる可能性があります。

個人のスマートフォン等へ安易に保存するのではなく、勤務先の個人情報、情報セキュリティ、録音・記録に関するルールを確認してください。

話し方の練習が目的なら、患者情報を含まないロールプレイを利用する方法があります。

苦情は個人の話し方だけでなく業務改善にもつなげる

同じ種類の苦情が繰り返される場合、個々の薬剤師へもっと丁寧に話すよう求めるだけでは改善しないことがあります。

繰り返す申出確認したい組織課題
待ち時間への不満人員配置、受付、調剤フロー、案内方法
薬が変わったことへの不安変更時の説明項目、引き継ぎ、表示方法
説明した・聞いていないの食い違い説明手順、記録、理解確認
責任者を呼ぶまで対応が長いエスカレーション基準、責任者配置
職員が長時間拘束される対応上限、複数名対応、本部相談のルール

患者からの申出は、すべて薬局側に問題があるという意味ではありません。

しかし、同じ種類の問題が繰り返されるのであれば、個別事例を集め、業務フローのどこで問題が起きやすいかを検討する材料になります。

患者が外部相談を希望する場合は医療安全支援センターも選択肢になる

患者側が医療について外部へ相談したい場合、地域の医療安全支援センターが相談先の一つになる場合があります。

2026年3月31日に改正された厚生労働省の運営要領では、医療安全支援センターは、医療に関する患者・住民の苦情・心配・相談に対応し、中立的な立場から患者・住民と医療提供施設との信頼関係の構築を支援することなどを目的としています。厚生労働省 医療安全支援センター運営要領

相談対象・対応範囲は地域や相談内容によって異なるため、実際に案内する場合は所在地の自治体等が示す窓口・対応範囲を確認してください。

患者対応力と人事評価・給与は分けて考える

不満・苦情へ適切に対応できることは、薬剤師の実務能力の一つです。

ただし、クレーム件数が少ない、患者から感謝された、難しい患者を一人で対応できたという理由だけで、給与が高くなる全国共通の制度はありません。

採用・人事側の経験から

私が薬剤師採用・人事に携わっていた範囲でも、患者対応が上手という抽象的な評価だけで採用条件を決めるという見方ではありませんでした。

難しい患者対応について、何を確認し、安全上の問題をどう分け、どの段階で責任者へ相談し、何を記録・共有したのかを説明できる方が、実際の仕事の進め方を理解しやすいと感じていました。

また、何でも一人で解決する人が優れているとも考えていません。医療安全上の問題や対応困難事例を適切なタイミングで共有できることも重要です。

これは私自身の採用・人事経験であり、すべての企業・医療機関が同じ評価を行うという意味ではありません。

保存用|クレーム対応の振り返りシート

クレームを受けたこと自体を失敗と考えるのではなく、対応プロセスを振り返ります。

確認項目次に行うこと
患者安全上の問題がないか先に確認した
患者の申出を最後まで確認した
事実・懸念・要望を分けた
確認済みの事実と未確認事項を分けた
確認できている事実について必要な謝意・謝罪を伝えた
原因・責任を事実確認前に断定しなかった
患者へ次の対応を説明した
責任者へ引き継ぐタイミングを逃さなかった
通常苦情・医療安全・組織対応を適切に切り替えた
必要な内容を記録・共有した
同じ問題が繰り返される場合は業務改善課題として共有した

○の数で薬剤師個人を点数化するための表ではありません。

△になった項目から、次の対応で変えることを一つ決めて使います。

まとめ|クレーム対応は言い換えより分類・安全・事実確認から始める

  • 患者の申出を通常苦情・患者安全・医療安全・職員安全の観点で分ける
  • 患者の怒りを鎮めることだけを成功指標にしない
  • 事実・懸念・要望を分ける
  • 原因や責任が未確認なら推測で断定しない
  • 確認できている事実には具体的に謝意・謝罪を伝える
  • 薬の取り違え等が疑われたら通常の苦情対応から医療安全対応へ切り替える
  • 強い口調だけでカスタマーハラスメントと断定しない
  • 暴行・脅迫等では一人で対応せず職員の安全確保を優先する
  • 回答できない場面では担当者・期限・回答方法を決めて対応を区切る
  • 必要な内容を記録し、次の担当者へ引き継ぐ
  • 繰り返す苦情は個人の話し方だけでなく業務改善へつなげる

患者から不満を受けたときに最も重要なのは、便利な言い換えを思い出すことではなく、いま何を優先すべき場面なのかを判断することです。

通常の説明で解決できる問題、安全確認が必要な問題、医療安全対応へ切り替える問題、薬剤師個人ではなく組織で対応すべき問題を分ければ、患者にも職員にも安全な対応へつなげやすくなります。

参考にした公的資料

FAQ

患者が怒っている場合は最初に謝った方がよいですか?

待たせた、説明が不足していたなど確認できている事実があれば、その具体的な点について謝意・謝罪を伝えます。一方、原因が分からない段階で薬局のミスや薬の影響を断定せず、まず申出と事実、安全上の問題を確認します。

説明を聞いていないと言われたら、薬歴を見せればよいですか?

薬歴等は確認材料になりますが、患者へ反論するための材料として扱うのではなく、前回何を説明したか、今回どの情報が不足しているかを確認するために使います。必要な情報を改めて説明してください。

違う薬が入っていると言われた場合も通常のクレーム対応でよいですか?

通常の接遇上の苦情とは分けます。処方箋、調剤記録、現物等を確認し、調剤上の問題が疑われる場合は勤務先の医療安全・インシデント対応手順へ切り替えます。すでに服用している可能性があれば患者安全を優先してください。

副作用が怖いと言われた場合は安心させる説明を優先しますか?

安心させること自体を目的にしません。すでに症状があるか、何を不安に感じているかを確認し、症状がある場合は必要な医療対応を優先します。通常の服薬説明が必要な場合は薬剤・患者に応じた情報を説明します。

強い口調の患者はカスタマーハラスメントですか?

強い口調だけで一律に判断できません。厚生労働省も、社会通念上許容される正当な苦情・申入れはカスタマーハラスメントではないとしています。勤務先の基準に沿って、言動の内容・程度・継続性や就業環境への影響等を組織で判断します。

暴力や脅迫を受けても責任者を呼ぶまで対応を続けるべきですか?

職員・周囲の安全確保を優先してください。厚生労働省のカスタマーハラスメント防止指針では、暴行・傷害・脅迫など犯罪に該当し得る言動では警察への通報が対処例として示されています。勤務先の緊急時手順に沿って一人で対応を続けないでください。

カスタマーハラスメント対策は現在すでに事業主の義務ですか?

2026年8月9日時点では、改正法によるカスタマーハラスメント防止措置の義務化は施行前です。施行日は2026年10月1日です。勤務先では施行に向けた方針、相談体制、対応手順の整備状況を確認してください。

患者が薬局外の相談窓口を希望しています。どこを案内できますか?

医療に関する苦情・心配・相談では、地域の医療安全支援センターが相談先の一つになる場合があります。対応範囲は地域・相談内容によって異なるため、所在地の自治体等が示す最新の窓口情報を確認して案内してください。

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