薬剤師が調剤薬局の業務改善を提案するには?安全に進める5ステップ

この記事で確認できること
  • 調剤薬局の業務改善を、患者安全や法令を損なわずに進める基本手順
  • 改善したい課題を、感覚ではなく確認できる事実へ整理する方法
  • 勤務薬剤師・管理薬剤師・薬局長・本部など、誰の承認が必要かを見分ける考え方
  • 改善案を提案し、小さく試し、結果を確認して標準化するまでの進め方

調剤薬局で働いていると、二重入力が多い、申し送りに時間がかかる、在庫確認が人によって違う、同じ手戻りが何度も起こるなど、日常業務の中で不便を感じることがあります。

こうした課題へ気づいたとき、改善を考えること自体は大切です。ただし、薬局の業務改善は思いついた方法をそのまま明日から始めればよいものではありません。調剤、監査、医薬品管理、患者情報、システム、スタッフの役割分担には、法令や安全管理、会社の権限ルールが関係します。

最初に結論を整理すると、薬局の業務改善は、課題を事実にする→安全・法令・権限を確認する→改善案を提案する→承認された範囲で小さく試す→結果を確認して標準化するという順番で進めると整理しやすくなります。

私は調剤薬局チェーンで薬剤師採用、人事、店舗人員、組織運営、経営企画に関わってきました。現場から改善案を受ける側では、アイデアが大きいかどうかより、現在何が起きているのか、誰が決める内容なのか、安全上の問題はないか、実施後に何を確認するのかが整理されている方が判断しやすいと感じてました。

目次

結論|薬局の業務改善は5ステップで安全に進める

ステップ確認すること
1.課題を整理する何が、いつ、どこで、どの程度起きているかを確認する
2.安全・法令・権限を確認する個人判断で変えてよい業務か、誰の承認が必要かを確認する
3.改善案を提案する変更内容、想定リスク、確認方法を具体化する
4.小さく試す対象、期間、担当者、中止条件を決めて試行する
5.評価して標準化する時間だけでなく安全、手戻り、スタッフ負担、患者対応への影響も確認する

この順番にする理由は、薬局業務には効率だけでは決められない領域が多いからです。数分短縮できる方法でも、取り違えの危険が増える、患者情報の取扱いが不適切になる、担当者しか分からない運用になるのであれば、改善とは言いにくくなります。

改善の目的を最初に一つ決める

業務改善という言葉は広いため、最初に何を改善したいのかを決めます。たとえば、待ちや手戻りを減らしたいのか、情報共有を分かりやすくしたいのか、在庫確認のばらつきを減らしたいのかで、見るべき事実も関係者も変わります。

最初から店舗全体を変えようとせず、一つの課題へ絞る方が、変更の影響を確認しやすくなります。

薬局の業務改善で最初に確認したい3種類の課題

患者安全・品質に関する課題

取り違えにつながりやすい配置、確認工程が分かりにくい、申し送りが抜けるなど、患者安全や医薬品の品質へ関係する問題は、単なる時短の課題とは分けます。

この領域では、まず現在の手順書、会社ルール、管理薬剤師の指示を確認します。効率化のために確認工程を省くのではなく、必要な確認を保ちながら手戻りや重複を減らせないかを考えます。

待ち・移動・二重入力・手戻りなどの効率課題

同じ内容を複数の場所へ入力している、必要な物を探す時間が長い、承認待ちで業務が止まるなどは、業務フローを確認する対象になります。

ただし、自分が面倒だと感じる工程が不要とは限りません。安全確認、会計、保険請求、記録、在庫管理等のために必要な工程もあるため、なぜその作業をしているのかまで確認してから変更案を考えます。

役割分担・情報共有・手順の課題

誰が発注するのか、誰が最終確認するのか、欠勤時に誰へ連絡するのかなど、役割が曖昧なために手戻りが起きている場合もあります。

この場合は作業そのものを削るより、担当、確認者、引継ぎ方法、例外時の相談先を明確にする方が改善につながることがあります。

厚労省の基本方向|安全を前提に対物業務を効率化する

患者本位の医薬分業と対人業務の方向

厚生労働省「患者のための薬局ビジョン」では、患者本位の医薬分業に向け、服薬情報の一元的・継続的把握、薬学的管理・指導、医療機関等との連携など、薬剤師・薬局の対人業務を充実させる方向が示されています。

この政策方向を、対物業務には価値がない、対人業務だけを増やせばよい、と読み替える必要はありません。調剤、監査、医薬品管理などを安全に行うことは引き続き重要です。

2019年の通知でも医薬品の品質確保が前提

厚生労働省「調剤業務のあり方について」では、薬剤師の対人業務を充実させる観点から、医薬品の品質確保を前提に対物業務の効率化を図る必要があることが示されています。

つまり業務改善の評価軸は、単に処理時間が短くなったかだけではありません。安全性を維持しながら、不要な待ち、重複、移動、手戻りを減らせたかを見ることが重要です。

業務改善の前に、個人提案だけでは解決しにくい問題を分ける

現場で不便を感じたとき、すべてを自分の工夫で解決しようとすると、かえって問題の原因を見誤ることがあります。改善テーマを選ぶ前に、店舗内の手順改善で扱える問題なのか、会社全体の判断が必要な問題なのかを分けてください。

業務量そのものが人員体制を上回っている場合

処方箋、在宅、電話、疑義照会、薬歴、欠品対応、管理業務などが重なり、必要な業務量そのものが現在の配置で処理しきれない場合、個人の動線改善だけでは限界があります。

その場合は、自分の作業速度の問題へ置き換えず、時間帯別の業務量、人員配置、応援体制、役割分担などを管理薬剤師や上司と確認します。残業が主な問題であれば、詳細は残業削減の記事へ分けます。

設備・システム投資が必要な場合

古いシステムによる二重入力や機器不足が原因でも、現場の薬剤師だけで設備更新を決めることはできません。導入費用、保守、他システムとの連携、情報管理、全店舗標準などを含めて会社判断になることがあります。

現場では、どの作業にどの程度の負担が出ているか、既存機能で改善できる余地があるかを整理し、投資判断に必要な材料として上げるところまでを担当すれば十分です。

役割・権限そのものが曖昧な場合

担当者を決めても権限がなく承認待ちになる、管理薬剤師と薬局長の判断範囲が重なるなど、組織設計そのものが原因のこともあります。

この場合は、作業手順だけを変えるより、誰が決め、誰が実行し、誰へ報告するのかを整理する方が先です。権限が曖昧なまま個人の善意で穴を埋め続けないようにします。

ステップ1|改善したいことを確認できる事実へ変える

いつ・どこで・何が起きているかを整理する

改善提案の前に、まず現状を整理します。たとえば入力作業が多いと感じるなら、どの入力で、どの時間帯に、何が重複しているのかを確認します。

  • どの業務で困っているか
  • いつ起きやすいか
  • 誰が関係しているか
  • どの手順で止まるか
  • 現在はどう対処しているか

ここまで整理すると、原因がシステムだと思っていたのに実際は権限設定だった、在庫管理が遅いと思っていたのに発注担当の役割が曖昧だった、といった別の原因が見つかることがあります。

時間や件数で測れるものは無理のない範囲で測る

作業時間、手戻り回数、問い合わせ件数など、業務上適切に集計できる情報は現状把握に役立ちます。ただし、数字を作るために本来の業務を圧迫したり、患者情報を私物へ記録したりする必要はありません。

また、数字にできない問題もあります。確認手順が分かりにくい、担当者が休むと進まない、例外時の相談先がないといった課題は、発生した状況を具体的に記録するだけでも判断材料になります。

患者個人を特定する情報を改善メモへ持ち出さない

患者情報を含む業務を分析する場合は、勤務先が承認した方法を使います。個人のスマートフォン、私用クラウド、個人用の生成AIなどへ、患者氏名、処方内容、薬歴、検査値等を保存する方法は前提にしません。

個人情報保護委員会・厚生労働省「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」は薬局も対象としており、組織として患者情報を適切に管理する必要があります。

ステップ2|改善案を考える前に誰が決める業務か確認する

勤務薬剤師が自分で変更できる範囲は限定される

個人の机上整理や、自分のメモの取り方など、本人の裁量で調整できることもあります。一方、店舗全員が使う調剤手順、医薬品の管理、患者情報の記録方法、システム設定、スタッフの役割分担などは、個人だけでは決められないことがあります。

良い改善案であっても、権限を確認せずに全員の運用を変えると、別の手順との不整合や事故につながる可能性があります。

管理薬剤師・薬局長・本部の役割を確認する

薬機法第8条では、薬局の管理者に薬剤師その他の従業者の監督、構造設備や医薬品等の管理などが求められています。

また、厚生労働省「薬局開設者及び医薬品の販売業者の法令遵守に関するガイドライン」では、管理者の業務指示・監督等に必要な権限や、会社組織上の指揮命令系統を明確にする考え方が示されています。

会社によっては、管理薬剤師と薬局長が同一人物の場合もあれば、別の人が担う場合もあります。改善内容に応じて、誰へ相談するのが正式なルートかを確認してください。

本部・システム部門・情報管理部門の確認が必要な場合もある

電子薬歴、レセコン、チャット、クラウド、AI、在庫システムなどへ関わる変更は、店舗単独では決められない場合があります。契約、アクセス権、情報管理、保守、他店舗との標準化なども関係するためです。

店舗では小さな設定変更に見えても、会社全体では情報セキュリティや監査上のルールに関係していることがあります。

ステップ3|改善提案は5項目に整理する

上司や管理薬剤師へ相談するときは、長い説明より、判断に必要な情報をそろえる方が伝わりやすくなります。

項目整理する内容
現在起きていることどの工程で何が起きているか
困っている理由手戻り、安全、時間、情報共有等への影響
変更したい内容どこを、どの範囲で変えたいか
想定するリスク安全、情報管理、他業務への影響等
確認方法試行後に何を見て継続・中止を判断するか

不満だけでなく判断できる形へ変換する

たとえば、申し送りが大変です、と伝えるだけでは、何を変えるべきか分かりません。次のように整理すると話し合いやすくなります。

「閉局前の申し送りで同じ内容を紙と社内システムの両方へ入力しているため、二重入力になっています。どちらが正式記録なのかを確認し、重複している部分を減らせないか相談したいです。患者情報を扱うため、情報管理上どちらを残すべきかも確認したいです。」

改善案を必ず採用してもらうことが目的ではありません。現在の問題と変更案を、判断できる形で共有することが最初の目的です。

数字は相手を言い負かすためではなく認識をそろえるために使う

作業時間や回数を示せる場合は役立ちます。ただし、数字が大きいから必ず変更すべきとも、数字が小さいから無視してよいとも限りません。

医療安全、属人化、個人情報、手順の曖昧さなどは、少数回でも重要な課題になる場合があります。数字と現場状況を組み合わせて整理してください。

ステップ4|承認された範囲で小さく試す

対象・期間・担当者を決める

いきなり店舗全体の正式ルールへ変更するのではなく、可能であれば対象範囲と期間を決めて試します。

  • 対象にする業務
  • 試す期間
  • 実施する担当者
  • 確認する指標
  • 問題が出た場合の相談先

誰がどこまで試してよいかを明確にすると、変更が広がりすぎるのを防ぎやすくなります。

元に戻せる方法か、中止条件を決めておく

試行中に、取り違えリスクが増えた、問い合わせが増えた、情報共有が遅れたなどの問題が起きた場合は、改善を続けること自体を目的にしません。

どの状態になれば中止し、従来の方法へ戻すのかを決めておくと、安全に試しやすくなります。

関係者へ変更内容を共有する

業務フローの変更を一部の人だけが知っている状態では、新旧の方法が混在して手戻りや事故につながることがあります。

誰が、いつから、どの方法で行うのか、例外時はどうするのかを、勤務先の正式な方法で共有します。

ステップ5|改善効果は時間だけで判断しない

作業時間・待ち・手戻りを確認する

改善の目的が効率化であれば、作業時間、待ち時間、確認待ち、二重入力、再作業などが変わったかを確認します。

ただし、一時的に慣れないため時間が増えることもあります。短期間の一回だけで結論を出さず、試行条件をそろえて確認します。

安全性・ヒヤリハットへの影響を見る

時短できても、確認漏れや取り違えの懸念が増えれば、その方法をそのまま標準化することはできません。

必要な安全工程が維持されているか、例外時にも対応できるかを確認してください。

スタッフ負担と患者対応も見る

一人の作業が短くなっても、別のスタッフへ作業が移っただけなら、店舗全体の改善とは言えない場合があります。

また、患者対応時間が増えたかだけではなく、必要な説明や確認が適切にできているかも見ます。業務改善は数字一つで評価せず、複数の影響を確認します。

試行がうまくいったら、個人技で終わらせず標準化する

正式な手順へ反映する必要があるか確認する

試行で良い結果が出ても、一部のスタッフだけが新しい方法を知っている状態では、担当者が休んだときに元へ戻ったり、新旧ルールが混在したりします。

継続する場合は、勤務先の運用に応じて手順書、マニュアル、チェックリスト、社内システム等へ反映する必要があるか確認します。正式文書を変更する権限がない場合は、管理薬剤師や担当部署へ修正を依頼します。

新しく入る人も同じ方法を再現できる状態にする

改善した本人だけが分かる方法では、属人化が別の形で残ります。新入職者、応援者、異動者でも、何を見れば手順を確認できるのかをそろえておくことが重要です。

例外が起きた場合の相談先も決めておくと、想定外の状況で個人判断が増えるのを防ぎやすくなります。

一度決めた方法も定期的に見直す

処方内容、患者層、人員、機器、システム、法令、会社方針が変われば、以前は合理的だった手順が合わなくなることがあります。

標準化した後も、問題が再発していないか、新しい手戻りが生まれていないかを確認してください。業務改善は、一度変更して終わる活動ではなく、現在の状況に合わせて必要な範囲を見直す活動です。

個人判断で変更しない方がよい薬局業務

調剤・監査の安全手順

監査や確認の工程は、本人にとって重複に見えても、安全管理上の理由がある場合があります。手順変更を考える場合は、現在の手順書と管理者判断を確認します。

医薬品の配置・保管ルール

使用頻度が高いからという理由だけで、医薬品を独断で別の場所へ移すことは前提にしません。取り違え防止、保管条件、在庫管理、全スタッフへの周知等を確認します。

予製など調剤工程に関わる運用

調剤工程に関わる方法は、忙しい時間を減らせるかだけで判断しません。薬剤の安定性、保管、表示、記録、監査、会社の正式手順等を確認します。

疑義照会や薬学的判断

過去に同じ内容を確認したことがあるからといって、今回必要な疑義照会を個人判断で省略する方法は取りません。正式なプロトコル等がある場合を除き、その処方について必要な確認を行います。

患者情報を扱うシステム・生成AI

入力を楽にするために、患者情報を個人契約のAIサービスや私用端末へ移すことは業務改善として推奨しません。会社承認済みのシステム、利用目的、アクセス権、保存・削除、委託先管理等を確認します。

タスクシフトは0402通知の条件と組織ルールを確認する

非薬剤師へ何でも任せられる通知ではない

2019年の厚生労働省通知では、一定の条件を満たす機械的な作業について、調剤に最終的な責任を有する薬剤師の指示に基づき、薬剤師以外の職員が行うことが差し支えないと整理されています。

ただし、薬剤師の指示、目が届く範囲、品質や患者安全への影響、判断を加える余地、手順書や教育、最終確認等を含めて組織的に考える必要があります。

タスクシフト、薬歴、AI、在庫管理などを残業削減の観点から詳しく確認したい場合は、薬剤師の残業を減らすには?薬歴・人員配置・業務効率化を元人事部長が解説で整理しています。

改善案を断られたときは、職場の良し悪しより理由を確認する

安全上の理由で実施できない場合

提案した本人には不要な工程に見えても、患者安全や法令上の理由で残している場合があります。その場合は、なぜ必要なのかを確認すると次の改善点が見つかることがあります。

システム・契約・費用の制約がある場合

本部システムを全店舗で統一している、機器契約上変更できない、予算や保守の都合で今期は難しいなど、店舗だけでは解決できない場合があります。

優先順位の違いなら確認時期を決める

提案が否定されたのではなく、別の業務を先に改善する必要がある場合もあります。後日再検討するなら、いつ、何がそろえば再度判断するのかを確認しておくと話が途切れにくくなります。

改善方法について上司や同僚と意見が異なり、論点整理そのものに悩む場合は、薬剤師の職場で意見が合わないときの対処法も参考にしてください。

元人事部長の経験|改善提案はアイデアの派手さより判断材料をそろえる

人事・経営企画側で現場から改善提案を受けるとき、私が確認しやすいと感じていたのは、斬新なアイデアそのものより、現状・変更範囲・必要な承認・想定リスク・実施後の確認方法が整理されている提案でした。

現場の困りごとを具体化する

忙しい、使いにくいという感想だけでも相談のきっかけにはなります。ただ、改善判断へ進むには、どの業務で何が起きているのかを一段具体化した方が検討しやすくなります。

店舗だけで決められない内容を見分ける

現場では簡単な変更に見えても、会社全体の手順、システム、契約、人員配置へ影響することがあります。誰の判断が必要かを先に整理すると、提案先を間違えにくくなります。

実施後の確認まで提案に含める

新しい方法を導入すること自体をゴールにせず、問題が改善したか、安全性に影響がなかったかを確認するところまでを一つの改善と考えます。

これは全国すべての薬局に共通する承認手順ではありません。会社によって決裁権限や改善活動の進め方は異なるため、勤務先の正式ルールを優先してください。

業務改善をしても、やりがい・昇給につながるとは限らない

業務改善の目的はまず現在の課題を解決すること

業務改善へ取り組んだからといって、必ず仕事のやりがいが高まるとは限りません。本人が達成感を感じることはありますが、改善活動と仕事全体への満足感は分けて考えます。

評価への反映は会社の評価制度で確認する

改善活動が昇給、賞与、昇格等へどのように反映されるかは、会社の人事制度や本人の役割によって異なります。

改善を行ったという事実だけから、年収が上がる、管理職へ昇進できる、他社から必ず高く評価されるとは判断しません。

仕事そのものに意味を感じられない場合は別に整理する

業務の不便を改善したいのではなく、仕事自体にやりがいを感じられない、何のために働いているか分からないという悩みであれば、業務改善だけで解決しようとしない方がよい場合があります。

その場合は、薬剤師が仕事にやりがいを感じないとき|原因の整理と辞める前に確認したいことを元人事部長が解説で、マンネリ、学習機会、仕事の内容、心身の状態、異動・転職等を分けて整理してください。

保存用|業務改善を相談する前のチェックリスト

確認チェックすること
改善したい業務を一つに絞った
いつ・どこで・何が起きているか整理した
現在の手順・ルールを確認した
患者安全や医薬品管理への影響を確認した
自分で変更してよい範囲か確認した
管理薬剤師・薬局長・本部等の承認先を確認した
患者情報を私物端末等へ保存していない
変更内容と想定リスクを整理した
小さく試せる範囲を考えた
実施後に何を確認するか決めた

すべてを一人で完成させてから相談する必要はありません。権限や安全面が分からない段階なら、その確認自体を管理薬剤師や上司へ相談してください。

薬剤師の業務改善でよくある質問

勤務薬剤師が薬棚の配置を自分で変えてもよいですか?

医薬品の配置は、取り違え防止、保管条件、在庫管理、店舗全体の手順等へ影響するため、個人の使いやすさだけで変更することは前提にしません。管理薬剤師等へ相談し、勤務先の正式なルールに沿って判断してください。

事務スタッフへ仕事を移せば業務改善になりますか?

業務によります。2019年の厚生労働省通知では一定の条件を満たす機械的作業について整理されていますが、薬剤師の仕事を自由に事務職へ移せる制度ではありません。薬剤師の指示、安全性、手順、教育、最終確認等を含め、組織として確認します。

数字がないと業務改善の提案はできませんか?

数字は必須ではありません。時間や件数で測れるものは判断材料になりますが、安全上の懸念、手順の曖昧さ、属人化、情報共有の問題など、定性的な事実が重要な場合もあります。何が起きているかを具体的に説明できることを優先してください。

改善効果を示すために患者情報を自分で集計してもよいですか?

患者情報を扱う場合は、勤務先が承認した方法と情報管理ルールを使ってください。患者氏名、処方内容、薬歴等を私物端末、私用クラウド、個人契約のAIサービス等へ保存することを改善活動の前提にはしません。

業務改善をしても評価されません。転職した方がよいですか?

業務改善が評価されないという一点だけで転職を結論にはしません。まず、改善活動が自分の評価項目や役割に含まれているのか、会社からどのようなフィードバックがあるのかを確認します。仕事そのものへのやりがいや今後のキャリアに迷っている場合は、それらを別に整理したうえで、現職継続、役割変更、異動、情報収集、転職を比較してください。

まとめ|良い業務改善は安全・権限・小さな検証をそろえて進める

調剤薬局の業務改善は、大きな改革案を考えることから始める必要はありません。日常の不便や手戻りを見つけたら、まず何が起きているかを整理し、そのうえで安全・法令・変更権限を確認します。

改善案を提案するときは、現在の課題、変更内容、リスク、確認方法をそろえ、承認された範囲で小さく試します。結果は時間だけでなく、安全性、手戻り、スタッフ負担、患者対応への影響も含めて確認してください。

業務改善は、個人が勝手に仕事を変えることではありません。安全を守りながら、組織の正式な方法でよりよい業務へ更新していくことです。

残業、薬歴、人員配置、タスクシフト、AI・在庫管理など、具体的な効率化の対象を詳しく確認したい場合は、薬剤師の残業を減らすための業務改善記事へ進んでください。

  • URLをコピーしました!
目次