- 一度不採用になった薬局へ再応募できるかを判断する順番
- 半年・6か月などの一律ルールではなく、応募先の現在の再応募ルールを確認すべき理由
- 前回と今回の求人、自分の経験・勤務条件がどう変わったかの整理方法
- 職務経歴書・面接で過去の応募歴をどう扱うか
- 再応募を見送った方がよいケースと、他求人も比較しておきたい理由
一度不採用になった薬局が、今でも気になっている。もう一度求人が出ているのを見つけて、再応募してよいのか迷っている。
この場合、半年待てば応募できる、1年空ければ有利になる、といった一律の期間で判断する必要はありません。再応募を受け付けるか、同じ店舗・同じ職種への再応募をどう扱うかは、企業ごとに異なるからです。
さらに、前回と同じ会社でも、募集店舗、仕事内容、雇用形態、勤務条件が変わっていれば、実質的には前回と違う求人を検討している場合があります。反対に、時間だけ経っていても、求人も自分の状況も何も変わっていなければ、再応募する意味をもう一度考えた方がよいこともあります。
私は調剤薬局チェーンで薬剤師採用に約6年間携わり、そのうち約4年間は人事部長として採用・人事に関わりました。その経験からも、再応募という事実だけで有利・不利を決めるのではなく、現在の募集内容と、現在の応募者の経験・勤務条件を改めて照合することが重要だと考えています。
この記事では、一度落ちた薬局へもう一度応募したい薬剤師向けに、再応募の可否、期間、前回からの変化、応募書類、面接での伝え方まで順番に整理します。
結論|一度落ちた薬局でも再応募できる場合はある
一度不採用になった薬局でも、再応募できる場合はあります。ただし、再応募できるかどうかは応募先の現在の採用ルールと募集内容を確認して判断します。
全国共通で6か月待てば再応募できるという制度はありません。企業によって、同じ店舗・同じ職種への再応募を受け付けない場合もあれば、一定の条件変化や経験の追加があれば再選考の可能性を示している場合もあります。
例えば総合メディカルの薬剤師キャリア採用FAQでは、過去に応募した人について、同じ店舗への再応募は遠慮してほしいとしながら、就業条件が異なる場合や、前回から期間が経過して新たな経験・スキルを得た場合には異なる結果になる可能性があると案内しています。
公式情報:総合メディカル株式会社 薬剤師キャリア採用「よくある質問」
これは総合メディカルの採用方針であり、すべての薬局会社に共通するルールではありません。重要なのは、一般的な転職記事の期間目安より、応募したい会社の現在のルールを優先することです。
再応募に全国共通の6か月ルールはない
再応募について調べると、半年、6か月、1年などの期間を目安として紹介する情報が見つかります。しかし、期間だけを見て再応募可能と判断するのは避けた方がよいでしょう。
採用側が再応募をどのように扱うかは、会社の採用方針、募集ポジション、店舗、人員計画等によって異なります。企業の採用ページに再応募ルールが記載されていれば、その内容を確認します。記載がなければ、応募前に採用窓口や応募経路を通じて確認する方法があります。
また、期間が空いていること自体が採用理由になるわけでもありません。半年経過していても、前回と同じ求人に、同じ経験・同じ勤務条件のまま応募するのであれば、前回と何が違うのかを自分でも説明しにくい場合があります。
反対に、前回からそれほど長く経っていなくても、別店舗の募集、別ポジション、勤務条件の異なる求人などで、会社側が再応募を受け付けている場合は検討余地があります。
したがって、再応募では何か月経ったかより、今回の応募が前回と何が違うのかを確認します。
最初に現在の再応募ルールを確認する
再応募したいと思ったら、職務経歴書を書き直す前に、まず応募先の現在のルールを確認してください。
- 採用FAQに再応募について記載があるか
- 同じ会社でも、同一店舗・同一職種だけ制限されていないか
- 一定期間内の再応募制限があるか
- 別店舗・別職種なら応募できるか
- 現在募集している求人が前回と同じ内容か
企業側の再応募ルールが明確なら、それを優先します。再応募不可と明記されているのに、別の応募経路から応募すれば選考してもらえると考えるべきではありません。
一方、再応募について何も記載されていない場合は、問い合わせること自体は可能です。応募する前に「過去に応募歴がありますが、現在の募集へ応募可能でしょうか」と確認すれば、不要な応募を避けられます。
前回と今回の求人が同じか確認する
再応募というと、同じ会社へ二度目の応募をすることだけに意識が向きます。しかし、採用実務では会社名よりも、今回募集している仕事を見る必要があります。
同じ店舗・同じ職種へ再応募する場合
前回と同じ店舗・同じ職種なら、まず会社が再応募を受け付けているか確認します。
受け付けている場合でも、前回と現在で仕事内容や勤務条件が変わっていないか見直してください。求人票が更新されていても、タイトルだけ同じで勤務曜日や募集背景が変わっている場合があります。
別店舗へ応募する場合
同じ薬局会社でも、別店舗なら患者層、処方内容、営業時間、人員配置、勤務曜日等が異なります。
前回は勤務条件が合わなかったとしても、別店舗なら条件が合う場合があります。反対に、会社側が同一企業内の再応募をまとめて制限している場合もあるため、別店舗なら必ず応募できるとは決めません。
別ポジションへ応募する場合
一般勤務薬剤師、管理薬剤師候補、在宅担当、本部職等で募集要件が違えば、前回の選考と今回の選考で確認される経験も変わります。
前回不採用だったことだけを見て諦めるのではなく、今回の求人で求められている仕事と自分の経験を改めて照合します。
勤務条件が違う募集へ応募する場合
正社員からパート、フルタイムから曜日限定など、勤務条件が変われば採用側が必要とする条件も変わる場合があります。
例えば前回は土曜勤務が難しく条件が合わなかったとしても、今回の求人が平日中心の募集なら状況は違います。前回の不採用理由を推測するより、現在の求人条件と自分の勤務可能条件を確認してください。
求人が再掲載されたからといって、前回と同じ採用状況とは限らない
以前落ちた薬局の求人が再び掲載されていると、「まだ採用できていないのでは」「今なら受かるのでは」と考えたくなるかもしれません。
しかし、求人の再掲載だけから採用側の事情を断定することはできません。
- 別の欠員が発生した
- 採用人数を増やした
- 別店舗の人員を募集している
- 正社員からパートなど募集条件を変えた
- 求人媒体上で継続掲載されている
など、複数の可能性があります。
したがって、求人がまた出たという事実だけで再応募のタイミングが来たとは判断せず、今回の募集店舗、職種、雇用形態、勤務時間、仕事内容を前回の求人と比較します。
前回の求人票を保存していない場合でも、現在の求人内容だけは新たに読み直してください。以前応募した会社だから知っているつもりにならないことが大切です。
保存用|前回応募と今回応募の差分表
再応募前には、前回と今回を同じ項目で並べると判断しやすくなります。
| 比較項目 | 前回応募時 | 今回 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 募集店舗 | 前回の店舗 | 現在の店舗 | 同じ/別 |
| 募集職種 | 一般薬剤師等 | 現在の募集職種 | 同じ/別 |
| 雇用形態 | 正社員・パート等 | 現在の雇用形態 | 同じ/別 |
| 仕事内容 | 当時確認した業務 | 現在の業務 | 追加・変更 |
| 勤務時間・曜日 | 当時の条件 | 現在の条件 | 変更の有無 |
| 自分の担当業務 | 当時の経験 | 現在の経験 | 増えた経験 |
| 自分の勤務条件 | 当時可能だった条件 | 現在可能な条件 | 変更の有無 |
| 応募理由 | 当時の理由 | 現在の理由 | 今も同じか |
この表で変化が少ないこと自体が悪いわけではありません。前回と同じ求人でも会社が再応募を受け付け、現在も自分の希望に合っているなら応募を検討できます。
逆に、変化が多ければ必ず採用されるわけでもありません。差分表は採用可能性を点数化するためではなく、再応募の前提を整理するために使います。
書類選考で不採用だった場合と面接後の不採用を分けて考える
前回どの段階で選考が終了したかは、再応募準備を整理する材料にはなります。ただし、選考段階だけから不採用理由を推測しないでください。
書類選考で終了した場合
まず今回の募集要件と、自分の職務経歴書に書かれている経験が合っているかを確認します。
前回後に担当業務が増えたなら追記します。職歴が変わっていない場合も、以前の書類に実際の担当業務が十分書けていなかったなら、事実の範囲で分かりやすく整理し直せます。
ただし、「前回は書類の書き方が悪かったから落ちた」と断定はしません。採用枠や他候補者との比較など、書類からは分からない事情もあります。
面接後に終了した場合
面接後の不採用でも、受け答えだけが理由とは限りません。仕事内容との経験差、勤務条件、配属、人員計画等も関係します。
今回再応募するなら、面接テクニックだけを直すのではなく、現在の求人で何を担当するのか、自分の経験・勤務条件が合っているかを改めて確認します。
面接全般の準備は、薬剤師の転職面接で確認されるポイントで詳しく整理しています。
前回の不採用理由を一つに決めつけない
再応募を考えると、前回なぜ落ちたのかを知りたくなります。
しかし、企業から具体的な説明がない限り、応募者側から不採用理由を一つに断定することはできません。
- 今回募集する仕事との経験差
- 勤務できる曜日・時間
- 配属予定店舗との条件
- 採用枠や人員計画
- 他の応募者との比較
など、応募者から見えない事情もあります。
厚生労働省は、公正な採用選考では、応募者が求人職種の職務遂行上必要な適性・能力を持っているかどうかを基準に選考することが基本だとしています。
薬剤師転職に置き換えれば、一般勤務薬剤師、管理薬剤師、在宅担当など、今回募集している仕事によって確認される経験は変わります。
不採用理由そのものを詳しく整理したい場合は、薬剤師の転職面接で落ちる理由を一つに断定できない理由も参考にしてください。
不採用理由を会社へ問い合わせてもよいが、回答は保証されない
不採用後に、今後の参考として理由を問い合わせること自体はできます。ただし、企業が具体的な理由を回答するとは限りません。
また、具体的なフィードバックが得られた場合でも、それだけが不採用理由だったと決めつけない方が安全です。
例えば「今回の求人では在宅経験を重視した」と説明を受けたとしても、次回募集でも同じ条件とは限りません。再応募時には、過去の説明だけではなく現在の求人内容を見直します。
問い合わせる場合は、採否を覆してもらうためではなく、今後の応募準備の参考として簡潔に確認する程度がよいでしょう。
前回から自分側で変わったことを整理する
再応募できる会社であれば、次に自分側の変化を確認します。
ここでも、必ず資格を取る、半年間で大きな成果を作る、といった条件はありません。
新しく担当した仕事
前回応募後に担当業務が増えていれば、職務経歴として追加できます。
- 在宅訪問を新たに担当した
- 新人・後輩の教育を担当した
- 管理薬剤師業務を経験した
- OTC相談や健康相談を担当した
- 別診療科の処方を扱う店舗へ異動した
ただし、その経験が今回の求人と関係するかは別に確認します。資格や経験が増えたから再応募に有利になる、と一律にはいえません。
勤務できる条件
前回は勤務曜日・時間・勤務地が合わず選考が難しかった可能性もあります。
現在は土曜勤務が可能になった、転居して通勤可能範囲が変わった、パート勤務を希望するようになったなど、勤務条件が変わっているなら今回の求人との適合を見直します。
資格・研修
前回後に資格取得や研修受講があれば、事実として追記できます。ただし、資格を取得しただけで採用されやすくなるとは限りません。
今回の募集職務に関係する知識・経験なのかを見ることが重要です。
応募先との接点
自分側の経験だけでなく、今回の求人が自分に合う理由も変わっているか確認します。
前回は会社名や立地に魅力を感じていたが、今回は実際の仕事内容まで確認して応募している、という変化もあります。
保存用|再応募判断4点チェック
再応募を決める前に、次の4点を埋めてください。期間だけで判断するより、現在の状況を整理しやすくなります。
| 確認項目 | 確認する内容 | 自分のメモ |
|---|---|---|
| 1.再応募可能か | 会社・店舗・職種の現在の再応募ルール | 採用FAQ・採用窓口等で確認 |
| 2.求人は変わったか | 店舗・仕事内容・雇用形態・勤務条件 | 前回求人との差 |
| 3.自分は変わったか | 担当業務・経験・資格・勤務可能条件 | 前回後に増えた事実 |
| 4.今も求人が合うか | 現在の仕事内容・給与・休日・勤務地等 | 他求人と比較した結果 |
4項目のうち何個なら応募すべき、という点数化はしません。
例えば、自分側には大きな変化がなくても、前回とは別店舗・別勤務条件で、自分に合う求人へ変わっているなら検討できます。一方、自分は経験を増やしていても、その会社が再応募を受け付けていなければ応募できません。
再応募するタイミングは、期間ではなく確認できる変化で決める
何か月待つかで迷う場合は、カレンダーではなく、再応募を検討できる条件がそろったかを確認します。
| 状況 | 再応募前に確認すること |
|---|---|
| 同じ店舗・同じ職種が再募集された | 同一店舗への再応募が可能か、今回の勤務条件が前回と同じか |
| 別店舗の求人が出た | 会社としての再応募ルール、別店舗の仕事内容・人員・勤務時間 |
| 別職種・別役割が募集された | 今回必要とされる経験と自分の職歴が接続するか |
| 自分の担当業務が増えた | 今回の求人に関係する経験か、職務経歴書へ事実として追加できるか |
| 勤務可能条件が変わった | 前回合わなかった曜日・時間・勤務地等が今回は一致するか |
このどれかが起きれば必ず再応募すべきという意味ではありません。再応募を検討するきっかけとして使い、その時点で会社のルールと求人内容を確認します。
反対に、1年経過したという理由だけでは、現在もその会社が再応募を受け付けているか、今の求人が自分に合うかは分かりません。
再応募理由は3パターンに分けると整理しやすい
もう一度応募した理由を聞かれたときは、前回から何が変わったのかによって説明を変えます。
同じ仕事へ、経験が増えた状態で再応募する場合
前回応募後も現職で勤務を続け、現在は○○の業務も担当しています。今回改めて募集内容を確認したところ、現在の経験と○○の部分で接点があると考え、再度応募しました。
資格取得や大きな成果を必ず入れる必要はありません。今回の仕事と関係する実際の経験が増えていれば、その事実を使います。
別店舗・勤務条件の違う求人へ応募する場合
以前は別店舗の募集へ応募しましたが、現在の○○店の求人は勤務時間と担当業務が当時の募集とは異なっています。現在の希望条件とも合うため、今回改めて応募を希望しました。
この場合、自分が大きく成長したという話を作る必要はありません。今回の求人との条件一致が変わったことを説明できます。
同じ会社の別ポジションへ応募する場合
前回とは異なる○○職の募集を拝見しました。現在の業務で○○を担当しており、今回募集されている仕事の方が自分の経験と接点があると考え、応募しました。
同じ会社への再応募でも、前回と今回で仕事が異なるなら、その違いを中心に説明します。
再応募時の職務経歴書は、前回から増えた事実を反映する
再応募だからといって、職務経歴書のデザインを大きく変えたり、成長を演出したりする必要はありません。
前回応募後に新しく担当した仕事があれば、通常の職務経歴として追加します。前回と職歴がほとんど変わっていないなら、無理に数字や成果を作らないでください。
数字を使う場合も、自分で説明できるものに限定します。担当店舗数、訪問件数、教育した人数など、実際に把握している数字であれば業務規模を伝える材料になります。
反対に、患者満足度、売上貢献率、ミス削減率など、本人が確認できない数値を推測で書く必要はありません。
職務経歴書の作り方は、薬剤師の職務経歴書で採用側が確認するポイントで詳しく整理しています。
面接で前回の応募歴へ自分から触れるべきか
再応募だから、面接冒頭で必ず前回不採用だったことを自分から話す、という全国共通ルールはありません。
応募フォームに過去応募歴の確認欄がある、採用担当者から過去応募について聞かれる、応募前に再応募可否を問い合わせているなど、すでに応募歴が前提になっている場合は事実に沿って説明します。
一方、質問されていないのに前回の選考を長く説明し続ける必要もありません。今回の募集で確認される仕事内容、経験、勤務条件へ話を戻します。
再応募できるか分からないときの問い合わせ方
採用ページに再応募ルールがなく、応募可能か判断できない場合は、いきなり応募書類を送る前に採用窓口へ確認する方法があります。
問い合わせは、前回落ちた理由を説明して再選考をお願いする文章ではなく、現在の募集への応募可否を確認するだけで十分です。
以前、貴社の薬剤師採用へ応募したことがあります。現在掲載されている○○店の募集を拝見し、応募を検討しています。過去に応募歴がある場合でも、現在の募集へ応募可能でしょうか。応募にあたり確認すべき事項がありましたら、ご教示いただけますと幸いです。
前回の応募時期や応募店舗を求められたら、分かる範囲で伝えます。
企業から再応募不可との回答があれば、そのルールに従います。一定期間後、別店舗なら可能など条件が示された場合は、その内容を確認してから次の行動を決めます。
問い合わせをしただけで採用上有利になるわけでも、不利になると決められるわけでもありません。応募可能か確認するための実務として考えてください。
なぜもう一度応募したのかと聞かれた場合
再応募理由を聞かれたら、熱意を大きく見せるより、現在も応募先を選ぶ理由を事実で説明します。
整理しやすいのは、次の3点です。
- 前回応募後に改めて確認した応募先の仕事内容
- 現在の自分の経験・勤務条件
- 今回の求人と自分が合うと考える理由
以前にも応募しましたが、その後も転職先を検討する中で、御社の○○という業務に改めて関心を持っています。前回の応募後には現職で○○を担当するようになり、今回募集されている仕事内容との接点が以前より具体的になりました。現在の募集内容を確認し、改めて応募したいと考えました。
これは回答例です。実際には、自分にない経験や会社に存在しない仕事を加えないでください。
前回の面接で聞いた内容を無理に熱意の証拠にしない
前回面接で聞いた内容を覚えているなら、今回の応募理由を説明する材料になることはあります。
ただし、前回の面接官の発言を細かく引用したり、長期間その言葉だけを理由に応募し続けているように見せたりする必要はありません。
前回から会社側の状況が変わっている可能性もあります。過去の説明より、現在の採用ページ・求人票・面接で確認できる仕事内容を優先してください。
前回が不採用ではなく辞退だった場合は分けて考える
過去に同じ会社へ応募した経験があっても、前回が不採用だったのか、自分から選考を辞退したのか、内定後に辞退したのかでは経緯が異なります。
この記事の中心は不採用後の再応募ですが、辞退後にもう一度応募したい場合も、最初に現在の応募ルールを確認する点は同じです。
辞退理由を別の話へ作り変える必要はありません。前回は勤務開始時期が合わなかった、他社を選んだ、その後状況が変わったなど、必要な範囲で事実を説明します。
内定辞退後の再応募を受け付けるかどうかも会社ごとに異なるため、過去に内定が出ていたから今回は有利になるとも、辞退したから二度と応募できないとも決めません。
別の応募経路・別エージェントから再応募してよいか
前回は紹介会社経由、今回は直接応募など、応募経路を変えること自体は会社の応募ルールに反しない範囲であり得ます。
しかし、別の経路なら過去の応募歴が分からないことを期待して経路を変えるべきではありません。
企業ごとに応募履歴の管理方法は異なるため、過去の応募が必ず分かる、必ず分からない、のどちらも断定できません。
職業紹介会社を利用する場合は、過去に同じ会社へ応募していることを担当者へ伝えておく方が実務上安全です。紹介会社側から応募企業へ確認が必要になる場合があるためです。
ただし、別の紹介会社へ変えれば再応募が有利になる、以前と同じ会社を使えば有利になる、といった全国共通のルールもありません。
転職エージェントは再応募を有利にする必須手段ではない
再応募のために転職エージェントを使うことが必須というわけではありません。
企業採用ページ、求人サイト、ハローワーク、職業紹介会社など、応募経路は複数あります。
紹介会社を使う場合に期待できるのは、現在その求人を取り扱っている範囲で、募集条件を確認してもらえることなどです。一方、担当者が企業のすべての採用ルールや過去の選考事情を把握しているとは限りません。
重要なのは、応募経路で採用担当者の心理を変えることではなく、再応募可能か、現在の募集は何か、自分が条件を満たしているかを確認することです。
前回から大きく成長していなくても、再応募を否定する必要はない
再応募の記事では、資格取得や昇進など、前回から明確に成長していなければ応募できないように説明されることがあります。
しかし、再応募可否を本人の成長だけで決める必要はありません。
例えば前回は週5日・遅番対応が必要な正社員募集だったものが、今回は別店舗で日中のパート募集になっているなら、本人の資格や経験に大きな変化がなくても勤務条件の一致が変わっています。
また、前回は管理薬剤師候補を募集していたが、今回は一般勤務薬剤師を募集している場合も、必要な経験が違う可能性があります。
一方で、前回後に大きな経験を積んだからといって、現在の求人が自分に合わなければ再応募する理由にはなりません。
再応募で見るのは成長量ではなく、現在の求人と現在の自分の一致です。
再応募しない方がよい場合もある
一度気になった会社だからといって、求人が出るたびに再応募する必要はありません。
- 企業が現在の採用ルールで再応募を受け付けていない
- 前回と同じ求人で、自分の希望条件とのずれも変わっていない
- 会社名や立地への憧れだけが再応募理由になっている
- 現在は別の求人の方が自分の希望する仕事内容・勤務条件に合う
- 再応募すること自体が目的になり、転職の目的を見失っている
再応募をしない判断も、失敗ではありません。
前回の応募時には第一志望だったとしても、その後の経験や生活の変化によって、今の自分に合う職場条件が変わっていることがあります。
再応募だけに絞らず、現在の他求人も同じ条件で比較する
再応募を検討するときほど、現在出ている他求人も一度比較することを勧めます。
前回不採用だった会社は、長く調べたり面接を受けたりした分だけ印象に残りやすくなります。しかし、その会社が今も自分に最も合うとは限りません。
比較するときは、会社名ではなく同じ項目で並べます。
| 比較項目 | 再応募先 | 他の求人 |
|---|---|---|
| 仕事内容 | 今回担当する仕事 | 今回担当する仕事 |
| 配属先 | 店舗・部署 | 店舗・部署 |
| 勤務時間・休日 | 現在の募集条件 | 現在の募集条件 |
| 教育・研修 | 入社後の体制 | 入社後の体制 |
| 給与・手当 | 提示条件 | 提示条件 |
| 勤務地・異動 | 変更範囲 | 変更範囲 |
比較したうえで再応募先が最も合うなら、再応募する理由もより明確になります。
前回の選考を受けたという理由だけで、その会社を現在も詳しく理解しているとは限りません。店舗体制、採用条件、仕事内容は変わることがあります。再応募であっても、新しい求人へ初めて応募するつもりで現在の情報を読み直し、以前の印象だけで入社判断をしないようにしてください。
再応募前の最終チェックリスト
- 現在の再応募ルールを確認した
- 今回の募集店舗・職種・雇用形態を確認した
- 前回の求人との違いを確認した
- 前回後に増えた経験・変わった勤務条件を整理した
- 職務経歴書に新しい事実を反映した
- 不採用理由を自分で一つに決めつけていない
- 別の応募経路なら過去応募を隠せるとは考えていない
- 現在の他求人とも仕事内容・条件を比較した
- なぜ今もう一度応募するのかを自分の事実で説明できる
このチェックで重要なのは、すべてに丸が付くことではありません。
企業ルール上再応募可能で、今回の求人が自分に合うと判断できるなら応募を検討できます。逆に、再応募可能でも、比較した結果ほかの求人の方が現在の希望に合うなら、無理に再応募する必要はありません。
FAQ
- 一度落ちた薬局に再応募できますか?
-
再応募できる場合はありますが、会社・店舗・職種ごとに扱いが異なります。まず応募先の採用FAQや現在の採用窓口等で、再応募を受け付けているか確認してください。
- 再応募まで何か月空ければよいですか?
-
全国共通の期間はありません。半年・1年などの一般論より、応募先企業の現在のルール、今回の募集内容、前回からの自分の変化を確認して判断します。
- 前回と同じ店舗へ再応募してもよいですか?
-
企業によって異なります。同じ店舗への再応募を制限している会社もあります。求人が再掲載されているだけで再応募可能とは判断せず、現在の採用ルールを確認してください。
- 前回不採用だったことは自分から話すべきですか?
-
面接冒頭で必ず自分から説明するという共通ルールはありません。応募フォームで確認される、採用担当者から聞かれるなどの場合は事実に沿って答えます。今回の仕事内容・経験・勤務条件の説明を優先してください。
- 別の転職エージェントから応募すれば有利ですか?
-
一律にはいえません。応募経路を変えること自体より、企業が再応募を受け付けているか、今回の求人が自分に合うかが重要です。紹介会社を使う場合は、過去の応募歴を担当者へ伝えておく方が実務上安全です。
- 不採用理由を会社に聞くことはできますか?
-
問い合わせること自体はできますが、具体的な理由が回答されるとは限りません。回答があった場合も、それだけが不採用理由だったと断定せず、再応募時には現在の募集内容を改めて確認してください。
まとめ|期間ではなく、現在の募集と現在の自分を見て再応募を決める
一度不採用になった薬局でも、再応募できる場合はあります。しかし、半年待てばよい、資格を取ればよい、別のエージェントなら有利、といった一律の攻略法はありません。
最初に応募先の現在の再応募ルールを確認し、前回と今回の求人が同じか、自分の経験・勤務条件に変化があるか、そして現在でもその求人が自分に合うかを確認してください。
不採用理由は応募者側から一つに断定できません。再応募時の職務経歴書も、成長を演出するのではなく、前回後に増えた仕事や変わった条件を事実として反映すれば十分です。
再応募すること自体をゴールにせず、現在の他求人とも同じ条件で比較したうえで、今の自分にとって最も合う職場かを判断してください。
