管理薬剤師の兼務は違法?他店舗応援・副業の原則と例外を解説

コクミンの管理薬剤師兼業問題から見る自己防衛|元調剤薬局人事部長が解説
この記事はこんなときに見返せます
  • 管理薬剤師として、別店舗への応援勤務を求められた
  • 1日だけ・数時間だけの他店舗応援なら問題ないのか確認したい
  • 管理薬剤師と学校薬剤師、副業を兼務できるのか知りたい
  • 兼務許可と薬剤師不在時間の違いを整理したい
  • 会社から応援を指示されたとき、何を確認すればよいか知りたい
  • 管理薬剤師へ就任する前に、会社の法令遵守体制を確認したい
  • 管理薬剤師として薬局開設者へ意見を伝える方法を確認したい

管理薬剤師として働いていると、人員不足や急な欠勤を理由に、別の薬局へ応援に行けないかと相談されることがあります。

このとき、管理薬剤師だから他の場所では一切働けないと考えるのも、会社からの業務命令なら他店舗で調剤してよいと考えるのも正確ではありません。

法令上の基本は、薬局の管理者がその薬局以外の場所で業として薬局の管理その他薬事に関する実務へ従事することを原則として制限しつつ、都道府県知事等の許可を受けた場合には例外を認めるという仕組みです。

さらに、他店舗応援、学校薬剤師、薬事に関係しない副業、薬剤師不在時間は、それぞれ別の論点です。ここを一つにすると、必要以上に怖がったり、反対に会社の運用だけを根拠に問題ないと判断したりする原因になります。

この記事では、2026年8月時点の薬機法、厚生労働省通知、自治体の兼務許可案内を基に、管理薬剤師の兼務を実務で判断する順序を整理します。

なお、法令上の正式な表現は薬局の管理者です。本記事では検索時に一般的に使われる管理薬剤師という言葉も併用します。具体的な兼務の可否は、業務内容や地域の運用によって判断が分かれるため、個別案件では管轄の都道府県、保健所設置市、特別区の薬務担当部署等へ確認してください。

目次

結論|管理薬剤師の兼務は原則制限、ただし許可による例外がある

最初に、よくあるケースを分けます。

ケースまず確認する法令上の論点実務上の確認
別の薬局で調剤・服薬指導等を行う薬機法7条4項の兼務制限兼務許可の有無・適用根拠を確認
1日だけ他店舗へ応援する短時間・1日だけという一般的な除外規定はない予定業務と兼務許可を事前確認
学校薬剤師を兼ねる兼務許可が認められ得る例として国通知に記載管轄自治体の許可基準・申請を確認
夜間休日の地域輪番調剤兼務許可が認められ得る例地域の要件・許可を確認
へき地で他薬局にも勤務する一定の場合に兼務許可が認められ得る地域事情と自治体基準を確認
自薬局の緊急在宅対応等で外出する薬剤師不在時間という別制度届出・時間・連絡・復帰体制等の要件を確認
薬事と関係しない副業を行う薬機法7条4項は全副業を一律禁止する文言ではない仕事内容、就業規則、労働契約、情報管理等を別途確認

したがって、会社から他店舗応援を求められたときに確認したいのは、単に何時間働くかではありません。自分がどの薬局の管理者なのか、応援先で何をするのか、兼務許可があるのかという順に確認します。

現在の根拠条文は薬機法7条4項

現行の医薬品医療機器等法(e-Gov法令検索)7条は、薬局の管理について定めています。

同条1項・2項では、薬局開設者が自ら管理する場合や、薬局で薬事実務に従事する薬剤師から管理者を指定する場合を定め、4項では薬局の管理者について、その薬局以外の場所で業として薬局の管理その他薬事に関する実務へ従事することを原則として制限しています。

一方で、4項にはただし書があり、薬局所在地の都道府県知事の許可を受けたときは例外とされています。薬局所在地が保健所を設置する市や特別区である場合の権限についても法令上の定めがあります。

ここで大切なのは、条文は、あらゆる仕事をしてはいけないという内容ではありません。ことです。制限の対象は、その薬局以外の場所で業として行う薬局の管理その他薬事に関する実務です。

古い資料に7条3項と書かれている理由

管理薬剤師の兼務を調べると、厚生労働省資料や解説記事に薬機法7条3項と書かれていることがあります。

たとえば、厚生労働省が2019年3月20日に出した薬局の管理者の兼務許可の考え方は、通知名自体が「第7条第3項に規定する」となっています。

これは通知発出当時の条文番号です。2026年8月時点の現行法では、第7条第4項として確認します。古い解説を読むときは、条文番号が現在と同じかも確認しておくと混乱を防げます。

兼務許可が認められ得る3つの代表例

兼務許可は、希望すれば自由に取得できる制度ではありません。2019年の厚生労働省通知は、薬局の管理者が実地に管理する立場であることを踏まえ、兼務許可は例外的な取扱いとする考え方を示しています。

そのうえで、次のような例を挙げています。

  • 非常勤の学校薬剤師
  • 薬局の営業時間外の夜間休日に行う地域の輪番制調剤業務
  • へき地で管理者確保が困難な場合に、管理薬局の営業時間外に他の薬局へ勤務するケース

ただし、これらに名称上該当すれば自動的に認められるという意味ではありません。通知は、都道府県知事等が地域の実情と個別事案を勘案し、管理者業務の遂行に支障がないと判断する場合に認められ得るとしています。

実際の基準は自治体ごとに確認が必要です。たとえば三重県の兼業許可案内は現行の根拠条項を第7条第4項と明記しています。宮城県の兼務案内では、兼務前に管轄保健所または薬務課へ相談し、申請後に許可された場合は兼務許可指令書が交付される手順を案内しています。

宮城県では学校薬剤師について原則3校までという基準も示されていますが、これは宮城県の取扱いです。地域の基準を全国共通ルールとして使わないことが重要です。

他店舗応援と薬剤師不在時間を混同しない

管理薬剤師の兼務を考えるときに、特に混同しやすいのが薬剤師不在時間です。

厚生労働省の2017年9月26日通知では、薬剤師不在時間を、薬局の開店時間中に薬剤師がその薬局以外の場所で当該薬局の業務を行うため、やむを得ず、かつ一時的に不在となる時間として整理しています。

例として挙げられているのは、緊急時の在宅対応や、急に日程が決まった退院時カンファレンスです。一方、学校薬剤師の業務や、あらかじめ予定された定期業務によって恒常的に不在となる時間は対象とされていません。

状況考える制度ポイント
自薬局の患者の緊急在宅対応で外出薬剤師不在時間自薬局の業務として薬局外へ出る
急に決まった退院時カンファレンスへ参加薬剤師不在時間やむを得ず・一時的という要件を確認
別の薬局で調剤業務を行う薬機法7条4項の兼務制限自薬局の業務とは別。兼務許可等を確認
学校薬剤師として定期的に学校へ行く兼務許可薬剤師不在時間とは別に整理

薬剤師不在時間には、あらかじめの届出に加え、調剤室の閉鎖、連絡体制などの要件があります。2017年通知が示す体制基準では、1日当たりの薬剤師不在時間は4時間またはその薬局の1日の開店時間の2分の1のうち短い時間を超えないことも示されています。

したがって、薬剤師不在時間の届出があることを理由に、管理薬剤師が別店舗で応援調剤をしてよいと結論づけることはできません。

2026年に管理薬剤師の兼務が改めて行政上の問題になった

2026年3月2日、株式会社コクミンは不適切な薬事業務に関する公式発表を出しました。

同社の公式発表で確認できるのは、一部店舗で不適切な薬事業務が判明し、管理薬剤師が所定の薬局以外で薬事業務を行っていたことです。発表時点では詳細情報の確認を継続中で、確認した事実について関係自治体・関係当局へ報告し、指導を受けて対応するとしています。

同社は再発防止策として、薬事関連法規の社内教育、指針・手順書の改定、薬事に関する職務権限規程の見直し、薬剤師不在時の閉局判断基準の明確化等を公表しました。

この事案については報道でさらに具体的な人数や運用が伝えられていますが、本記事では行政処分や個人責任を含め、公式資料で確認できない事項を事実として広げません。

2026年7月30日、厚労省が法令遵守体制を改めて通知

同年7月30日、厚生労働省は薬局における適正な業務の確保等についてを発出しました。リンク先は山梨県が公式掲載している厚生労働省通知です。

通知は会社名を特定していません。そのうえで、薬局管理者が自薬局以外の場所で薬局管理その他薬事実務に従事し、さらに従事先で適切な記録等を怠ったことにより調剤責任の所在が不明確になるなど、薬機法・薬剤師法の規定に違反する行為が複数の事案で発覚したとしています。

ここで重要なのは、厚労省が問題を管理薬剤師個人だけの注意不足として整理していないことです。

  • 薬局開設者は薬機法9条の2に基づく法令遵守体制を整備する
  • 管理者は8条2項に基づき、開設者へ必要な意見を述べる
  • 開設者は管理者の意見を尊重し、必要な措置を講じ、対応内容を記録する
  • 開設者を補佐する者として、通知はエリアマネージャーを具体例に挙げている
  • エリアマネージャー等の不適切な行為によって薬局が法令違反を起こした場合、開設者の責任が問われ得る

つまり、管理薬剤師の兼務問題は、個人が気をつけるだけではなく、誰にどの権限があり、法令上の懸念を誰へ報告し、会社がどう是正するのかという組織ガバナンスの問題でもあります。

採用・人事・経営側から見たポイント

私が調剤薬局チェーンで採用・人事・本部業務に携わった範囲では、管理者就任の認識違いを減らすには、手当額だけを見るのではなく、どの店舗の管理者になるのか、何を判断する権限があるのか、他店舗応援をどう扱うのか、不在時にどのような運用をするのか、薬事判断に迷ったとき誰へ相談するのかまで確認できる状態にしておくことが重要でした。

中小企業診断士・認定経営革新等支援機関として企業支援に携わる現在も、コンプライアンスは個人の注意力だけに委ねるのではなく、権限・報告・エスカレーションの仕組みとして設計することが重要だと考えています。

会社から他店舗応援を求められたときの7段階確認

実際に他店舗応援を求められた場合は、いきなり違法だから拒否する、会社の指示だから行く、という二択にしない方が安全です。

  1. 自分の管理者としての位置づけを確認する
    現在どの薬局の管理者として指定・届出されているのかを確認します。
  2. 応援先と日時を確認する
    どの薬局へ、いつ、どの時間帯に行く予定なのかを明確にします。
  3. 応援先で行う業務を確認する
    調剤、監査、服薬指導、医薬品管理など、実際に何を担当する予定なのかを確認します。
  4. 兼務許可の有無と適用根拠を確認する
    会社の薬事担当・コンプライアンス担当等へ、薬機法7条4項との関係、兼務許可の有無、今回の勤務が許可対象に含まれるのかを確認します。
  5. 疑問が残る場合は書面で意見を伝える
    保健衛生上の懸念や法令上の確認が必要と考える場合は、薬局開設者に対して必要な意見を書面で伝える方法があります。
  6. 社内だけで整理できなければ管轄行政へ確認する
    具体的な業務が兼務制限に当たるか、どの許可が必要か判断できない場合は、勤務先を管轄する都道府県・保健所設置市・特別区の薬務担当部署等へ確認します。
  7. 組織として改善しない場合は次の選択肢を比較する
    社内の法令遵守窓口等への相談、行政への確認、必要に応じた専門家への相談、職場を変えることを並列で検討します。

特に重要なのは、「1日だけだから大丈夫」「昔から皆やっている」「エリアマネージャーから言われたから問題ない」だけで判断しないことです。

会社へ確認するときの質問例

「私は現在、○○薬局の管理者として届出されている認識です。今回の△△薬局で予定されている業務内容と、薬機法第7条第4項の兼務許可の有無・適用根拠を確認させてください。」

問題があると決めつける言い方ではなく、自分の法令上の立場と会社側の整理を確認する質問にすると、社内でも論点を共有しやすくなります。

管理薬剤師が書面で意見を述べることには法令上の根拠がある

薬機法8条2項は、薬局の管理者に対し、保健衛生上支障を生ずるおそれがないよう、薬局の業務について薬局開設者へ必要な意見を書面により述べることを求めています。

そして、管理者を指定した薬局開設者について、9条2項はその意見を尊重するとともに、法令遵守のために措置が必要な場合は措置を講じ、その内容を記録し、適切に保存することを定めています。措置を講じない場合は、その旨と理由を記録します。

2026年7月30日の厚労省通知も、この仕組みを改めて強調しています。

保存用|書面で意見を伝えるときの確認項目

項目記載する内容
日付意見を提出する日
対象薬局自分が管理者を務める薬局名
確認した事実誰から、どの店舗で、いつ、何の業務を依頼されたか
確認したい法令上の論点薬機法7条4項の兼務許可の有無・適用範囲等
保健衛生上の懸念自薬局の管理、記録、調剤責任等への影響
求める対応許可・根拠の確認、薬事担当による回答、必要な是正等

これは責任を逃れるための証拠作りを意味するものではありません。管理者が必要な意見を述べ、開設者がそれを受けて法令遵守上の対応を判断するという、本来のガバナンスを機能させるための手順です。

なお、勤務記録や社内メール等を適切に保存することと、患者情報を私物端末や個人クラウドへコピーすることは別です。患者情報・社内情報は、勤務先の正式なシステムと承認された方法で取り扱ってください。

兼務問題が起きたら薬剤師免許は取り消されるのか

他店舗で勤務したという事実だけから、直ちに薬剤師免許が取り消されると説明することはできません。

薬機法には、管理者に薬事関係法令への違反行為等があった場合に、都道府県知事が薬局開設者へ管理者の変更を命じる制度があります。また、薬局開設者等に法令違反等があった場合には、許可取消や業務停止を命じる制度もあります。

一方、薬剤師個人については、薬剤師法8条に、戒告、3年以内の業務停止、免許取消という行政処分制度があります。

しかし、どの措置・処分が問題になるかは、具体的に何をしたのか、どの法令に違反したのか、事実関係がどうだったのかによって変わります。

そのため、本記事では兼務したら免許取消、会社と個人が必ず刑事罰を受けるといった一般化はしません。刑事責任を含む具体的な法的評価が必要な案件では、行政窓口や弁護士等の専門家へ個別に確認してください。

薬事に関係しない副業まで一律に禁止されているわけではない

「管理薬剤師は副業禁止」と説明されることがありますが、薬機法7条4項の文言は、すべての副業を一律に禁止する形ではありません。

同項が対象にしているのは、その薬局以外の場所で業として行う薬局の管理その他薬事に関する実務です。

したがって、薬事に関係しない副業については、少なくとも7条4項だけを理由に全面禁止と説明することはできません。ただし、実際の仕事内容が薬事実務に当たるか、勤務先の就業規則・労働契約に制限がないか、競業・秘密保持・個人情報管理に問題がないかは別に確認する必要があります。

副業名だけでは判断しにくい場合は、仕事内容を具体化して管轄行政へ確認する方が安全です。

保存用|管理薬剤師を引き受ける前に確認したい8項目

管理薬剤師への就任を打診されたときは、役職手当や肩書きだけで判断せず、次の項目を確認しておくと就任後の認識違いを減らせます。

確認項目具体的に確認すること
管理する薬局どの店舗の管理者として指定・届出されるのか
就任時期いつから正式に管理者になるのか
権限人員配置、薬事上の判断、手順見直し等についてどの範囲を担うのか
他店舗応援管理者就任後に他店舗応援を想定しているか。想定するなら法的整理はどうなっているか
不在時の運用有給・公休・研修・緊急在宅等の際の管理体制をどう定めているか
兼務許可学校薬剤師等を含め、必要時の申請を誰が管理するのか
薬事相談先本部薬事、コンプライアンス、薬局開設者等の相談ルート
意見具申後の流れ管理者が書面で意見を出した場合、誰が受け取り、誰が対応を判断するのか

すべての会社が同じ運用を採る必要があるという意味ではありません。重要なのは、自分が管理者として何を担い、法令上の問題が生じたとき組織内でどう処理するかを説明できる状態かです。

転職先で管理薬剤師を打診されたときの質問例

転職時に管理薬剤師候補として採用される場合も、求人票だけで判断する必要はありません。企業へ直接応募する場合、求人サイト、ハローワーク、転職エージェントのいずれを利用する場合でも、自分の入社判断に必要なことは確認できます。

  • 「管理薬剤師への就任は入社時からでしょうか。それとも一定期間勤務した後でしょうか?」
  • 「管理薬剤師就任後に、他店舗へ応援勤務する可能性はありますか?」
  • 「他店舗で薬事業務を行う可能性がある場合、兼務許可はどのように管理されていますか?」
  • 「管理薬剤師が薬事上の判断に迷った場合、本部ではどの部署へ相談できますか?」
  • 「管理者から法令上の意見が出た場合、社内ではどのように検討・記録する運用になっていますか?」

転職エージェントを利用している場合は、こうした項目を企業へ確認してもらう方法もあります。ただし、エージェントから得た情報だけで法令上の適否を確定するのではなく、必要な場合は会社の薬事担当や管轄行政へ確認します。

関連記事:薬剤師転職エージェントおすすめ3社比較|元人事部長が採用側の実体験で解説

今の勤務先で法令上の整理ができない場合

現在の勤務先で他店舗応援を求められているからといって、直ちに転職しなければならないわけではありません。

まずは、予定業務と兼務許可を確認し、必要であれば管理者として書面で意見を述べ、会社の薬事・法令遵守体制の中で整理できるかを確認します。

それでも会社から法的根拠の説明が得られない、行政へ確認すること自体を妨げられる、同じ問題が繰り返されるなど、組織として解決が難しい場合には、社内の別窓口、管轄行政、必要に応じた専門家への相談とあわせて、職場を変える選択肢も比較できます。

転職は法令確認の代わりではありません。一方で、自分が管理者として必要な注意や意見を尽くせない組織なのかどうかは、今後働き続けるかを判断する重要な材料になります。

一次資料|迷ったときに確認する公的・公式情報

この記事で制度を確認する際に使用した主な一次資料です。法令や自治体運用は更新されることがあるため、実際に兼務を予定するときは最新情報を確認してください。

FAQ

管理薬剤師が1日だけ他店舗へ応援に行くのは問題ありませんか?

1日だけ、数時間だけという理由だけで自動的に適法になる規定は確認できません。自分がどの薬局の管理者なのか、応援先で薬事に関する実務を行うのか、薬機法7条4項の兼務許可があるのかを確認してください。具体的な取扱いが不明な場合は、勤務先の薬事担当と管轄行政へ事前に確認するのが安全です。

管理薬剤師は学校薬剤師を兼務できますか?

非常勤の学校薬剤師は、厚生労働省通知で兼務許可が認められ得る例として示されています。ただし無条件ではなく、管理者業務に支障がないことや自治体の基準を満たし、必要な許可を受けることが前提です。具体的な校数等の基準を全国共通と考えず、管轄自治体へ確認してください。

管理薬剤師は薬事と関係ない副業もできませんか?

薬機法7条4項は、すべての副業を一律禁止する文言ではなく、その薬局以外の場所で業として薬局管理その他薬事に関する実務へ従事することを原則制限しています。ただし、副業の具体的内容、勤務先の就業規則・労働契約、競業、秘密保持等は別途確認が必要です。

薬剤師不在時間を使えば他店舗へ応援に行けますか?

薬剤師不在時間は、薬剤師が自薬局の業務を薬局外で行うため、やむを得ず一時的に不在となる場合の制度です。厚労省通知では緊急在宅対応や急に決まった退院時カンファレンス等が例示されています。他店舗での薬事実務を行うための制度ではないため、他店舗応援は薬機法7条4項の兼務制限を別に確認します。

会社から「以前から皆やっている」と言われたらどう確認すればよいですか?

過去の社内運用だけでは法令上の根拠にはなりません。応援先で行う業務、兼務許可の有無・適用範囲、会社の薬事担当の整理を確認してください。管理者として保健衛生上の懸念がある場合は、薬局開設者へ必要な意見を書面で述べる仕組みが薬機法8条2項にあります。社内で整理できない場合は管轄行政へ確認します。

他店舗で勤務すると薬剤師免許は取り消されますか?

他店舗で勤務したという事実だけから、自動的に免許取消になるとは説明できません。薬剤師法には戒告・業務停止・免許取消の制度がありますが、実際の処分は具体的な行為や事実関係等によって判断されます。個別の行政処分・刑事責任まで問題になる事案は、行政窓口や専門家へ確認してください。

まとめ|兼務の可否は業務内容→許可→組織対応の順に確認する

管理薬剤師の兼務を、すべて違法または会社の指示なら問題ないという二択で考える必要はありません。

  • 現行の根拠は薬機法7条4項
  • 他の場所での薬事実務は原則として兼務制限がある
  • 都道府県知事等の兼務許可による例外がある
  • 学校薬剤師、夜間休日輪番、へき地等は国通知で例示されている
  • 薬剤師不在時間は他店舗応援とは別制度
  • 管理者には開設者へ必要な意見を書面で述べる仕組みがある
  • 開設者には管理者の意見を受け、法令遵守体制を整備する責任がある

他店舗応援を求められたら、まず自分の管理者としての位置づけ、応援先での業務、兼務許可の有無を確認してください。疑問が残る場合は、管理者として書面で意見を伝え、会社の薬事担当や管轄行政へ確認します。

それでも法令上の整理ができない組織なのかどうかは、現職を続けるか、職場を変えるかを考えるうえでも重要な判断材料になります。

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