大阪市では北区の薬局薬剤師483人と病院薬剤師251人が24区で最多です。薬局の人口当たり配置は中央区が北区を上回ります。人数と率を分けたうえで使える路線を重ねると、通える候補を集めやすくなります。
同じ大阪市内でも使う路線と駅からの距離によって通勤条件は変わります。この記事では24区の公的統計を起点に、医療圏の需給モデルと大阪府の給与水準を整理します。初任地の条件に応援勤務や異動の範囲を加えると、入職後の生活まで含めた比較ができます。
北区は薬局・病院の人数が多く、中央区は薬局の人口当たり配置が高い
大阪市で薬局薬剤師の人数が多いのは北区の483人です。中央区437人と淀川区367人が続きます。病院薬剤師も北区が251人で多く、中央区は140人と阿倍野区は116人です。薬局を探す場合と病院を探す場合で人数の並びが変わります。2024年薬剤師統計
薬局の全国100は中央区231.7に対して北区215.2です。北区は実人数が多い一方で人口も中央区より多く、人口当たりでは中央区の値が上回ります。病院では北区383.3と中央区254.5で北区の値が高くなります。業態別に見ると同じ中心部でも配置の特徴が違います。
通える範囲で何人の薬剤師が働いているかを知りたいときは実人数が入口になります。居住人口と比べた配置の特徴を知りたいときは人口当たりの率を使います。いずれも調査時点の従業者数であり、今ある採用枠は応募先ごとの募集情報で調べるものです。

24区の全国100は業態別の配置、大阪府100は府内比較の目安になる
大阪市24区の合計は薬局薬剤師5,389人と病院薬剤師1,557人です。人口277万8,917人に対して人口10万人当たりは薬局193.9人と病院56.0人です。全国100は薬局122.1と病院121.0で両業態とも全国の率を上回ります。
大阪府100では薬局111.5と病院106.2です。府の人口当たり配置も全国を上回るため、全国を基準にした値より市と府の差は小さくなります。24区の率を平均する代わりに人数と人口をそれぞれ合算して計算しています。
全国100は同じ業態の人口10万人当たり薬剤師数を全国と比べた指数です。100を超える区は全国の率を上回ります。大阪府100は府の率を基準にした補助比較です。薬局と病院では分母となる率が異なるため、各業態の表の中で比較します。
全国100を主比較、大阪府100を補助比較にしています。24区を行政区コード順に掲載。各表は左右にスクロールできます。
| 区・人口 | 薬剤師数人口10万人当たり | 全国=100 | 大阪府=100 |
|---|---|---|---|
| 都島区人口 106,872人 | 202人189.0人 | 119.0 | 108.7 |
| 福島区人口 82,015人 | 184人224.3人 | 141.3 | 129.0 |
| 此花区人口 64,155人 | 85人132.5人 | 83.4 | 76.2 |
| 西区人口 110,826人 | 234人211.1人 | 133.0 | 121.4 |
| 港区人口 80,247人 | 102人127.1人 | 80.0 | 73.1 |
| 大正区人口 61,890人 | 82人132.5人 | 83.4 | 76.2 |
| 天王寺区人口 84,726人 | 267人315.1人 | 198.4 | 181.2 |
| 浪速区人口 79,032人 | 105人132.9人 | 83.7 | 76.4 |
| 西淀川区人口 98,386人 | 143人145.3人 | 91.5 | 83.6 |
| 東淀川区人口 171,844人 | 268人156.0人 | 98.2 | 89.7 |
| 東成区人口 86,902人 | 180人207.1人 | 130.4 | 119.1 |
| 生野区人口 126,884人 | 193人152.1人 | 95.8 | 87.4 |
| 旭区人口 90,613人 | 142人156.7人 | 98.7 | 90.1 |
| 城東区人口 170,197人 | 268人157.5人 | 99.2 | 90.5 |
| 阿倍野区人口 112,617人 | 283人251.3人 | 158.2 | 144.5 |
| 住吉区人口 152,260人 | 325人213.5人 | 134.4 | 122.7 |
| 東住吉区人口 133,291人 | 173人129.8人 | 81.7 | 74.6 |
| 西成区人口 105,151人 | 189人179.7人 | 113.2 | 103.3 |
| 淀川区人口 184,388人 | 367人199.0人 | 125.3 | 114.4 |
| 鶴見区人口 111,616人 | 155人138.9人 | 87.4 | 79.8 |
| 住之江区人口 117,229人 | 215人183.4人 | 115.5 | 105.4 |
| 平野区人口 187,648人 | 307人163.6人 | 103.0 | 94.1 |
| 北区人口 141,357人 | 483人341.7人 | 215.2 | 196.4 |
| 中央区人口 118,771人 | 437人367.9人 | 231.7 | 211.5 |
| 区・人口 | 薬剤師数人口10万人当たり | 全国=100 | 大阪府=100 |
|---|---|---|---|
| 都島区人口 106,872人 | 87人81.4人 | 175.7 | 154.2 |
| 福島区人口 82,015人 | 74人90.2人 | 194.8 | 170.9 |
| 此花区人口 64,155人 | 26人40.5人 | 87.5 | 76.8 |
| 西区人口 110,826人 | 67人60.5人 | 130.5 | 114.5 |
| 港区人口 80,247人 | 14人17.4人 | 37.7 | 33.1 |
| 大正区人口 61,890人 | 36人58.2人 | 125.6 | 110.2 |
| 天王寺区人口 84,726人 | 76人89.7人 | 193.6 | 169.9 |
| 浪速区人口 79,032人 | 34人43.0人 | 92.9 | 81.5 |
| 西淀川区人口 98,386人 | 45人45.7人 | 98.7 | 86.7 |
| 東淀川区人口 171,844人 | 53人30.8人 | 66.6 | 58.4 |
| 東成区人口 86,902人 | 38人43.7人 | 94.4 | 82.8 |
| 生野区人口 126,884人 | 62人48.9人 | 105.5 | 92.6 |
| 旭区人口 90,613人 | 26人28.7人 | 61.9 | 54.4 |
| 城東区人口 170,197人 | 74人43.5人 | 93.9 | 82.4 |
| 阿倍野区人口 112,617人 | 116人103.0人 | 222.4 | 195.2 |
| 住吉区人口 152,260人 | 97人63.7人 | 137.5 | 120.7 |
| 東住吉区人口 133,291人 | 42人31.5人 | 68.0 | 59.7 |
| 西成区人口 105,151人 | 48人45.6人 | 98.5 | 86.5 |
| 淀川区人口 184,388人 | 51人27.7人 | 59.7 | 52.4 |
| 鶴見区人口 111,616人 | 26人23.3人 | 50.3 | 44.1 |
| 住之江区人口 117,229人 | 43人36.7人 | 79.2 | 69.5 |
| 平野区人口 187,648人 | 31人16.5人 | 35.7 | 31.3 |
| 北区人口 141,357人 | 251人177.6人 | 383.3 | 336.4 |
| 中央区人口 118,771人 | 140人117.9人 | 254.5 | 223.3 |
人数は2024年12月31日の主たる従業地による届出です。人口は2025年1月1日の住民基本台帳総計。常勤換算人数ではありません。人数と人口の出典
淀川区は薬局367人で全国100が125.3です。病院は51人で59.7となります。薬局の人数が多いことを病院の配置にもそのまま当てはめると、地域の特徴を読み違えてしまいます。北部で探す人も希望する業態に合わせて表を選べます。
阿倍野区の全国100は薬局158.2と病院222.4です。天王寺区は薬局198.4と病院193.6となります。両区とも二つの業態が全国を上回りますが、薬局は天王寺区の率が高く病院は阿倍野区の率が高いという違いがあります。
平野区は薬局307人で全国100が103.0です。病院は31人で35.7となります。住吉区は薬局325人と病院97人で両方の実人数が平野区を上回ります。南側の区で候補を集める場合にも病院と薬局を分ける意義があります。
此花区と大正区の薬局の全国100はともに83.4です。病院は此花区87.5に対して大正区125.6となります。薬局の率が近い二つの区でも病院の分布は異なります。比較する業態を先に決めると表の数字を候補選びにつなげられます。
大阪市の需給モデルは24区をまとめた医療圏の値として読む
大阪市の公式需給モデルは大阪市二次医療圏全体の値です。区別の偏在指標を示す資料としては扱いません。24区の人数表で地域内の違いを見た後に、市全体の業務量と労働供給の関係を知る材料になります。厚生労働省の需給モデル
大阪市の基準時点の偏在指標は薬局1.37と病院1.13です。両業態とも1を上回り薬局の値が高くなります。将来モデルは薬局1.49と病院1.16です。薬局と病院を合算した値だけを見るより、希望する業態の指標を追うほうが違いを捉えられます。

公式の偏在指標は調整した薬剤師の労働時間を推計業務量で割った値です。1は2036年度に向けた共通の目標水準です。人口当たり配置と違って業務の需要も考慮しています。職場の欠員率や応募倍率とは計算の対象が異なります。
原表の「現在」は2023年公表モデルの基準時点を指します。薬剤師数には2020年の人数を使い、労働時間には2022年10月の中央値を使っています。24区表の2024年末人数と時点が違うため、二つの表はそれぞれの問いに沿って読む必要があります。
将来の業務量は人口と供給の仮定を含む
将来の推計業務量は薬局が6.2%増え、病院が11.4%増える計算です。労働供給を15%増やす共通の仮定が両方の業務量の伸びを上回るため、将来の偏在指標は基準時点より上がります。病院は業務量の伸びが大きく指標の上昇幅は薬局より小さくなります。

将来モデルは2036年度に向けた計画の参考値です。2035年の人口には2018年時点の推計を用いています。労働供給を1.15倍にする仮定と在宅件数を1.36倍にする仮定などを組み合わせています。採用数の予測として使うより、将来も担当したい業務を考える材料として読むほうが適切です。
大阪市の提示年収は大阪府532.7万円を参考に、役職と労働時間をそろえて比べる
大阪府の薬剤師の年収換算額は2025年調査で532.7万円です。全国は566.8万円で府は全国の94.0%となります。大阪市だけの平均額や各区の給与相場を示す統計ではなく、府全体の参考水準です。2025年賃金構造基本統計調査
計算は大阪府の月額現金給与37万1,500円を12倍し、年間賞与その他特別給与額86万9,100円を足しています。月額給与は2025年6月で賞与等は原則2024年の実績です。一般労働者の薬剤師を対象にした男女計の額で勤務先の業態別には分けていません。
大阪府の平均年齢は40.6歳で勤続年数は7.4年です。全国は40.1歳と8.6年となります。2025年6月の所定内実労働時間は府が160時間で全国が157時間でした。こうした構成の違いを含む平均額として扱うと、自分への提示年収を統計額だけで評価する偏りを減らせます。
大阪府の統計は市内24区を給与順に並べるための資料とは異なります。経験年数や役職に加えて職場の構成も平均額に影響します。大阪市内の候補を比べるときは提示年収の総額と担当する責任を組にするほうが、金額差の理由を理解しやすくなります。
管理薬剤師を含む候補と一般薬剤師の候補では責任の範囲が違います。在宅訪問の担当や休日の連絡対応も給与と一緒に比べる項目です。自分が希望する役割を先に伝えると、年収が高い理由を具体的な仕事内容として説明してもらえます。
賞与は前年度の実績と初年度の支給条件を分けると入職後の収入を見積もれます。月給に固定残業代が含まれる場合は対象時間と金額も比較できます。週の所定労働時間をそろえることで、年収の数字だけでは見えなかった違いが分かります。
労務条件を聞く場面では紹介会社の担当者を通す方法があります。残業実績や有給休暇の運用は回答を文面でそろえると比較に使えます。面接では仕事への関心を伝える質問を中心にし、給与や配属の条件は担当者にまとめて照会すると役割を分けられます。
給与の相談では在宅訪問の担当範囲や病院で経験した領域を応募先の仕事と結びつけられます。薬剤師の年収交渉の進め方も参考になります。
通勤は区名より使える路線と退勤後の経路で比べる
大阪市内の通勤は自宅から職場までの経路と勤務終了時刻を組み合わせて比べると具体的になります。駅間の移動に加えて乗り換えと徒歩の区間も含めます。遅番や休日勤務の日まで同じ条件で調べると、生活に合う勤務先を選びやすくなります。
大阪メトロ御堂筋線には梅田と本町からなんば・天王寺へつながる駅があります。谷町線では東梅田と谷町四丁目から天王寺方面を結べます。大阪メトロの公式路線・駅案内を起点に自宅から使える路線を整理すると、同じ区内に限らず候補を探せます。
梅田駅と東梅田駅は別の駅で使う路線も異なります。同じ梅田周辺という表現でも勤務地と利用駅によって徒歩の経路が変わります。勤務先が指定する最寄り駅と実際に使いやすい駅を分けると、乗り換えや徒歩を含む通勤を比べられます。
在宅訪問を担当する薬局では通勤と勤務中の移動を分けて考えられます。電車通勤ができることと業務で運転することは両立する場合があります。運転の可否や訪問後に店舗へ戻る時刻まで担当者へ伝えると、帰宅時刻に合う候補を集めやすくなります。
帰宅時刻から通勤範囲を決める
希望する帰宅時刻を基準に早番と遅番の経路を並べます。乗り換えと徒歩を含めた範囲が決まると、区境を越える候補も同じ条件で比較できます。
薬局と病院の希望業務で絞る
薬局なら外来調剤と在宅の担当範囲を加えます。病院なら診療領域と当直・夜勤の条件を加えます。区別の人数を起点に応募先の業務まで絞る手順です。
年収と応援・異動範囲をそろえる
初任地の給与と労働時間だけでなく配属後の移動条件も並べます。労務条件の照会は紹介会社の担当者経由でまとめると回答を比較しやすくなります。
たとえば中央区の薬局と住まいに近い区の薬局が候補になった場合です。中央区の人口当たり配置が高いことだけで候補を決めるより、担当業務と遅番の回数をそろえるほうが生活との両立を判断できます。自宅に近い候補なら通勤に使う時間を学習や休息へ回せるかも考えられます。
仕事の内容を面接で聞く質問と労務条件を担当者へ聞く質問は分けておくと使いやすくなります。職場選びに役立つ質問と記録用PDFの案内では回答を残す方法を整理しています。複数の候補がある場合は内定先の比較方法も判断材料になります。
大阪市の薬剤師転職でよくある疑問
配置の数字は地域を知る入口であり、応募の判断には職場ごとの募集条件を加えます。統計と求人の役割を分けることで人数の多さに偏らず比較できます。
全国100が高い区ほど転職しやすいですか?
全国100は住民人口に対する薬剤師の配置です。応募先を選ぶ際は採用枠と必要な経験を個別に照会します。薬局なら担当業務が合うかを含めると候補として比べられます。
大阪市の需給モデルを各区に使えますか?
大阪市二次医療圏全体の指標として使います。区ごとの需給を表す値には分けていません。区内の配置は24区の人数表で読み、市全体の見通しは需給モデルで読むと対象範囲が明確になります。
大阪市で年収を比べるときは何をそろえますか?
一般薬剤師か管理薬剤師かという役割と週の所定労働時間をそろえます。賞与の初年度条件や固定残業代も比較項目です。府の統計を参考にしながら応募先から提示された条件で判断できます。
薬局・病院ともに働く薬剤師の人数が多いのは北区です。居住人口に対する薬局の配置では中央区が高く、人数順とは異なります。
