2025年11月時点の情報です
転職エージェントを「使いこなせている」と本当に言えますか?
転職エージェントに登録したものの、送られてくる求人をただ眺めているだけになっていませんか?
「希望と違う求人ばかり送られてくる」「エージェントの言いなりで不安」「本当に自分に合った職場を紹介してくれているのか分からない」
私が人事部長として多くの薬剤師と面談する中で、こうした声を何度も耳にしてきました。転職エージェントに登録したにも関わらず、結局「なんとなく」提案された求人に応募し、入社後に「こんなはずじゃなかった」と後悔する方が少なくないのです。
実は転職エージェントというのは、使い方次第で「ただの求人紹介屋」にもなれば、「あなたのキャリアを最大化する戦略的パートナー」にもなる存在です。その分かれ目は、あなた自身がどれだけ主体的に関わるかにかかっています。
エージェントはあなたの人生を代わりに決めてはくれません。しかし正しく活用すれば、年収交渉から職場の内部情報収集、面接対策まで、転職活動のあらゆる場面であなたの強力な武器となります。
本記事では、元調剤薬局チェーン人事部長として多くのの採用に関わってきた私が、転職エージェントを「求人紹介屋」で終わらせないための具体的な付き合い方を解説します。エージェントから最大限の価値を引き出し、理想のキャリアを実現するための実践的な戦略をお伝えします。
【前提】転職エージェントの「本当のビジネスモデル」を理解する
まず知っておくべきは、転職エージェントのビジネスモデルです。これを理解していないと、エージェントを戦略的に活用することはできません。
転職エージェントは、あなたが転職先に入社することで企業側から成功報酬を受け取ります。報酬額は一般的に年収の25〜35%程度。つまり年収500万円の求人であれば、125万円から175万円がエージェントの収益(売上)になるわけです。
この仕組みを理解すると、エージェントの行動原理が見えてきます。彼らは「あなたの転職を成功させること」に強い動機を持っています。しかし同時に「早く決めてもらうこと」「できるだけ高年収の求人に決めてもらうこと」にも動機があるのです。
私が人事部長として多くのエージェントと取引してきた経験から言えば、優秀なエージェントほど長期的な信頼関係を重視します。目先の利益よりも、求職者の満足度を優先するのです。なぜなら満足した転職者は、将来また転職する際に同じエージェントを使いますし、知人にも紹介してくれるからです。
つまりあなたがやるべきは、エージェントを「敵」とも「全面的に信頼する味方」とも捉えず、「利害が部分的に一致するビジネスパートナー」として付き合うことです。
この前提を踏まえた上で、具体的な主体的活用法を見ていきましょう。
ポイント1:初回面談で「市場価値の正確な把握」を要求する
転職エージェントとの初回面談で、多くの方が犯す最大の失敗があります。それは「希望条件だけを伝えて終わる」ことです。
「年収600万円以上」「完全週休2日」「通勤時間30分以内」といった希望を伝えるのは当然ですが、それだけでは不十分です。なぜならあなた自身が、自分の市場価値を正確に把握していない可能性が高いからです。
私が人事部長として採用活動をしていた際、エージェント経由で応募してくる方の中には、明らかに自分の市場価値を過小評価している方がいました。本来なら年収700万円のオファーができる経験とスキルを持ちながら、「年収550万円でも構いません」と言ってくるのです。これは非常にもったいない。
初回面談では、以下の質問を必ずエージェントに投げかけてください。
「私の経験とスキルで、現在の転職市場ではどの程度の年収が妥当ですか?具体的な根拠とともに教えてください」
優秀なエージェントであれば、あなたの経歴を詳しくヒアリングした上で、類似の経歴を持つ薬剤師の転職成功事例や、各企業の給与テーブル情報をもとに、具体的な年収レンジを示してくれます。
さらに踏み込んで、こう質問するのです。
「今の私のスキルセットで不足している点は何ですか?どんな経験を積めば、さらに市場価値を高められますか?」
この質問によって、あなたは単に「今すぐ転職するための求人」だけでなく、「中長期的なキャリア戦略」まで引き出せます。エージェントは転職市場の最前線にいるプロですから、どんな経験やスキルが評価されるのかを熟知しています。
例えば「在宅医療の経験があれば年収が50万円上がる」「管理薬剤師経験があれば選択肢が広がる」「認定薬剤師資格が有利に働く企業がある」といった具体的な情報を得られるはずです。
この段階で曖昧な回答しかできないエージェントは、正直に言ってあなたのパートナーとして不適格です。別のエージェントに切り替えることを検討すべきでしょう。
ポイント2:「なぜこの求人を紹介するのか」理由を必ず確認する
エージェントから求人紹介のメールが届いたとき、あなたはどう対応していますか?
「とりあえず見てみるか」と求人票を眺めて、条件が合わなければスルーする。多くの方がこのパターンではないでしょうか。
これでは転職エージェントを「ただの求人紹介屋」として使っているに過ぎません。もっと主体的に、戦略的に活用する方法があります。
紹介された求人に対して、必ずこう質問してください。
「なぜこの求人が私に合うと判断されたのですか?私のキャリアプランとどう整合するのか説明してください」
この質問には二つの効果があります。
一つ目は、エージェントに「この人は真剣だ」と認識させることです。適当に大量の求人を送りつけるような対応をしていたエージェントも、この質問を受けることで姿勢を改めます。あなたのキャリアを真剣に考えている求職者には、エージェントも真剣に向き合わざるを得ないのです。
二つ目は、求人の背景情報を引き出せることです。優秀なエージェントであれば「この企業は今、在宅医療事業を強化中で、あなたの訪問薬剤師経験が非常に評価されます」「前任者が管理職として昇進したポジションで、キャリアアップのチャンスがあります」といった、求人票には書かれていない重要情報を教えてくれます。
私が人事部長として経験した実例を一つお話しします。
ある薬剤師の方が、エージェント経由で当社の求人に応募してきました。面接で話を聞くと「エージェントさんが、御社は教育制度が充実していると勧めてくれた」とのこと。確かに当社は研修に力を入れていましたが、実はこの方が応募されたポジションは、むしろ即戦力を求める店舗でした。
結果として、その方の希望とポジションの実態にギャップがあり、残念ながらお見送りとなったのです。もしこの方が「なぜこの求人が自分に合うのか」をエージェントに深く確認していれば、こうしたミスマッチは防げたでしょう。
さらに踏み込んで、こうも質問すべきです。
「この企業の離職率や、前任者の退職理由を教えてください」
エージェントが企業と深い関係を築いているなら、こうした情報も持っているはずです。もし「そこまでは分かりません」という回答なら、そのエージェントは企業の内情を十分に把握していない可能性があります。
ポイント3:複数エージェントを「比較材料」として戦略的に活用する
転職活動において、一社のエージェントだけに頼るのは危険です。必ず複数のエージェントに登録し、それぞれを「比較材料」として活用してください。
私がおすすめするのは、ファルマスタッフ、レバウェル薬剤師、ファル・メイトの3社です。これらは薬剤師転職に特化しており、それぞれ異なる強みを持っています。
私が人事部長時代、実際に『交渉力が高く、信頼できる』と感じた理由について、以下の記事で生々しく解説しています。失敗したくない方は、必ずチェックしてください。

しかし重要なのは、ただ3社に登録するだけではありません。3社を戦略的に「競わせる」ことで、あなたは最大限の情報とサポートを引き出せるのです。
具体的な方法をお伝えします。
まず同じ求人が複数のエージェントから紹介された場合、それぞれのエージェントに「この企業について、他社からはこういう情報を聞きました。御社ではどう評価していますか?」と質問してください。
するとエージェントAは「年収交渉の余地が大きい」と言い、エージェントBは「福利厚生が充実している」と言い、エージェントCは「離職率が低く定着率が高い」と別の角度から情報を提供してくれます。
これら全ての情報を統合することで、一社だけでは得られない多角的な企業理解が可能になるのです。
さらに年収交渉の場面でも、複数エージェントの活用は威力を発揮します。
私が人事部長として採用活動をしていた際、あるエージェントから「候補者の方が、他社経由でも御社の求人を検討中で、そちらでは年収650万円と聞いているそうです」と連絡がありました。実際には当社の提示額は620万円でしたが、優秀な人材を逃したくなかったため、650万円に引き上げることにしました。
このケースでは、求職者が複数エージェントを使っていることが、結果的に年収アップにつながったわけです。(実際には他のエージェントが提示していたのは630万円だったかもしれませんが、エージェント間の競争心理が働いた可能性があります)
ただし注意点があります。複数エージェントを使う際は、必ず各エージェントに「他のエージェントも利用している」と正直に伝えてください。隠して使うと、後でトラブルになる可能性があります。
「より良い転職を実現したいので、複数のエージェントさんに相談しています。それぞれの視点から情報をいただけると助かります」
このように伝えれば、ほとんどのエージェントは理解を示します。むしろ「他社に負けられない」という意識が働き、より熱心にサポートしてくれることも多いのです。
ポイント4:年収交渉は「丸投げ」せず、具体的な根拠を共有する
転職活動において、年収交渉は最も重要なフェーズの一つです。しかし多くの方が「エージェントに任せておけば大丈夫」と考え、自分は何もしません。
これは大きな機会損失です。
確かにエージェントは年収交渉のプロですが、彼らはあなたの価値を完璧には理解していません。あなた自身が「なぜその年収が妥当なのか」という根拠を明確に示し、それをエージェントと共有することで、交渉力は格段に高まります。
私が人事部長として経験した事例をお話しします。
あるエージェントから「候補者の方が年収700万円を希望されていますが、可能でしょうか」という打診がありました。当初の提示予定額は650万円だったため、50万円のギャップがあります。
しかしそのエージェントは、ただ「700万円希望です」と伝えるだけでなく、以下のような具体的な根拠資料を提示してきました。
「この方は前職で処方箋枚数150枚/日の高稼働店舗で3年間勤務し、調剤過誤ゼロを維持。さらに在宅医療の立ち上げにも関わり、月間20件の訪問実績があります。同等の経験を持つ薬剤師の市場相場は680〜720万円です」
この説明を受けて、私は700万円でのオファーを決断しました。なぜなら具体的な実績と市場データに基づいた、納得できる根拠があったからです。
あなたも同じことができます。年収交渉の前に、エージェントに以下の情報を明確に伝えてください。
あなたの具体的な実績
- 担当した店舗の処方箋枚数と対応期間
- 調剤過誤の有無や安全管理の取り組み
- 在宅医療、かかりつけ薬剤師などの経験
- 後輩指導や新人教育の実績
- 認定薬剤師などの資格取得状況
市場相場の情報
- 同じ地域・同じ経験年数の薬剤師の年収レンジ
- 競合他社からのオファー内容(実際に受けている場合)
- 転職サイトや求人情報から調べた相場感
これらの情報をエージェントに提供することで「この人は自分の市場価値を正確に理解している」という印象を与えられます。そしてエージェントは、あなたが用意した根拠資料を企業側への交渉材料として使えるのです。
さらに重要なのは、年収交渉のタイミングです。
面接が進み、企業側が「この人を採用したい」と強く思ったタイミングこそ、最大の交渉チャンスです。このタイミングを逃さないよう、エージェントに明確に伝えてください。
「内定が出そうなタイミングで、年収交渉をお願いします。企業側が私を採用したいと思っている時が、最も交渉しやすいはずです」
エージェントはこうした戦略的なタイミング調整も得意ですから、あなたの意図を明確に伝えることで、より効果的な交渉が可能になります。
ポイント5:面接対策では「想定問答集」を一緒に作り込む
転職エージェントの多くは、面接前に対策を行ってくれます。しかし残念ながら、その多くは表面的なアドバイスに終わっています。
「明るくハキハキと答えましょう」「志望動機はしっかり準備してください」
こうしたアドバイスは確かに間違いではありませんが、あなたが本当に必要としているのは、もっと具体的で実践的な対策のはずです。
私が人事部長として面接官を務めていた経験から言えば、面接で差がつくのは「想定外の質問にどう答えるか」です。準備してきた志望動機や自己PRは、誰でもそれなりに話せます。しかし以下のような質問に、的確に答えられる人は驚くほど少ないのです。
「前職を辞めた本当の理由は何ですか?」 「当社に入社して3年後、どんな薬剤師になっていたいですか?」 「最近、印象に残った処方箋や患者対応のエピソードを教えてください」
こうした質問は、あなたの本質や価値観を見極めるために、人事が意図的に用意しているものです。そして多くの場合、準備不足の回答は見抜かれます。
だからこそエージェントに、こう依頼してください。
「この企業の面接で、よく聞かれる質問と、人事が本当に知りたいポイントを教えてください。一緒に想定問答集を作りましょう」
優秀なエージェントであれば、過去の面接データから頻出質問を把握しています。さらに企業の採用担当者とのやり取りから「この会社は○○を重視している」という情報も持っているはずです。
例えば「在宅医療に力を入れている企業なら、患者宅への訪問経験や、医師・看護師との連携経験を具体的に聞かれる可能性が高い」といった情報です。
こうした情報をもとに、あなた自身の経験を棚卸しし、具体的なエピソードを用意しておくのです。
私が面接で高く評価するのは「具体性のある回答」です。
「チーム医療を大切にしています」という抽象的な答えではなく、「前職では月1回、近隣クリニックの医師と勉強会を開催し、処方提案を3件行いました。そのうち2件が採用され、患者さんの服薬アドヒアランス向上につながりました」という具体的な答えです。
このレベルの回答を準備するには、エージェントとの綿密な打ち合わせが不可欠です。一人で準備するよりも、プロの視点から「この企業ならこの経験をもっとアピールすべき」といったアドバイスをもらえるからです。
さらに面接後のフォローアップも重要です。
「面接後、企業側からどんなフィードバックがありましたか?私の回答で評価された点、懸念された点を教えてください」
この質問によって、あなたは自分の面接パフォーマンスを客観的に振り返れます。もし次の面接がある場合は、そのフィードバックを活かして改善できます。
またエージェントが企業側から「この点だけ懸念がある」という情報を得た場合、追加で補足説明を送ることも可能です。実際、面接後にエージェント経由で補足資料を提出し、評価が好転したケースを私は何度も見てきました。
ポイント6:入社前に「労働条件通知書」を精査させる
内定が出たら、多くの方がホッとして、そのまま入社を決めてしまいます。しかしここで油断してはいけません。
入社前に必ず確認すべきなのが「労働条件通知書」です。これは法律で交付が義務付けられている書類で、給与、労働時間、休日、契約期間などが明記されています。
しかし驚くべきことに、この重要書類をきちんと読まずに入社し、後でトラブルになるケースが非常に多いのです。
私が人事部長時代に経験した事例があります。
ある薬剤師の方が入社して1ヶ月後、突然「話が違う」と訴えてきました。聞けば「完全週休2日と聞いていたのに、月に1回は土曜出勤がある」とのこと。
労働条件通知書を確認すると、確かに「月1回の土曜出勤あり」と記載されていました。しかし本人は「そんな話は聞いていない」と主張します。おそらく面接時の説明が不十分だったか、本人が聞き流していたのでしょう。
このようなミスマッチを防ぐため、内定が出たら必ずエージェントに労働条件通知書のコピーを送ってもらい、以下の項目を一緒に確認してください。
確認すべき重要項目
- 基本給と各種手当の内訳(残業手当は含まれているか)
- 所定労働時間と休憩時間(実労働時間は何時間か)
- 休日の日数と取得ルール(完全週休2日か、月8日休みか)
- 残業時間の上限と残業代の計算方法
- 賞与の有無と支給時期(業績連動か固定か)
- 試用期間の有無と条件(試用期間中の給与は下がるか)
- 退職金制度の有無と計算方法
特に注意すべきは「みなし残業代」です。
求人票に「月給35万円」と書かれていても、その内訳が「基本給25万円+みなし残業代10万円(月40時間分)」というケースがあります。これは「月40時間分の残業代があらかじめ給与に含まれている」という意味です。残業が40時間を超えた分は追加で支払われますが、最初から基本給を低く抑えるためにこの制度を使っているケースもあるため注意が必要です。
だからこそエージェントに、こう依頼してください。
「労働条件通知書の内容を一緒に確認し、疑問点があれば企業に質問してください。特に給与の内訳と労働時間については、詳しく説明を求めます」
エージェントは労働条件通知書の「読み方」に精通しています。どこに注意すべきか、どんな表現が要注意なのか、プロの視点でチェックしてもらえます。
さらに入社日や初出勤日の調整も、エージェント経由で行うのが賢明です。直接企業とやり取りするよりも、間にエージェントを挟むことで、万が一のトラブル時に証拠が残りやすくなります。
ポイント7:入社後のフォローアップまで「約束」を取り付ける
多くの方が見落としているのが、入社後のフォローアップです。
実は優秀な転職エージェントは、入社後も一定期間、あなたをサポートしてくれます。なぜなら入社後すぐに退職されると、企業から受け取った成功報酬を返金しなければならない契約になっているからです。
この仕組みを逆手に取り、あなたはエージェントに「入社後のフォローアップ」をしっかりと約束させるのです。
法的な契約書に盛り込むことは難しいですが、担当者との信頼関係に基づく「コミットメント」として、内定承諾の前にこう確認してください。
「入社後3ヶ月間、月1回の面談をお願いできますか?職場環境や人間関係で困ったことがあれば相談したいです」
もしエージェントが「入社したら終わり」という姿勢を見せるなら、そのエージェントは長期的な信頼関係を重視していない証拠です。
一方、優秀なエージェントであれば「もちろんです。入社後も何かあればいつでも連絡ください」と快諾してくれるはずです。
実際、入社後に「思っていた職場と違う」というギャップを感じるのは珍しくありません。そんな時、エージェントに相談することで、早期に問題を解決できる可能性があります。
私が人事部長だった頃、エージェント経由で入社した薬剤師の方から、入社2週間後に「店舗の雰囲気が合わない」という相談がエージェントを通じて届きました。
エージェントと協議した結果、別の店舗への配置転換を提案し、本人も納得して継続勤務してくれました。もしエージェントが介在していなければ、この方は早期退職していたかもしれません。
このように入社後のフォローアップは、あなたにとっても企業にとっても、そしてエージェントにとってもメリットがあります。遠慮せずに、しっかりとサポートを求めてください。
転職エージェントは「使われる」のではなく「使いこなす」存在
転職活動において、受け身の姿勢でいることは最大のリスクです。
エージェントから送られてくる求人をただ眺め、提案された条件をそのまま受け入れ、面接対策も言われるがままに準備する。こうした受動的な転職活動では、決して理想のキャリアは実現できません。
あなたのキャリアは、あなた自身が主体的にデザインするものです。そして転職エージェントは、そのプロセスを支援する強力なパートナーになり得ます。ただし「なり得る」のであって、自動的にそうなるわけではありません。
あなたが主体的に関わり、適切な質問を投げかけ、戦略的に活用して初めて、エージェントは「ただの求人紹介屋」から「あなたのキャリアを最大化する戦略的パートナー」へと変わるのです。
本記事で紹介した7つのポイントを実践することで、あなたは転職エージェントから最大限の価値を引き出せます。市場価値の正確な把握、求人の背景情報、複数エージェントの戦略的活用、年収交渉の具体的根拠、綿密な面接対策、労働条件の精査、そして入社後のフォローアップ。これらすべてを実行するのは、確かに手間がかかります。しかしその手間を惜しんだ結果が「こんなはずじゃなかった」という後悔なのです。
私が人事部長として幾多もの薬剤師と関わってきた中で、転職に成功した方々には共通点がありました。それは「自分のキャリアに対して、誰よりも真剣に向き合っていた」ということです。彼らは転職エージェントに丸投げせず、自分で市場を調べ、企業を研究し、エージェントと対等に議論していました。そして結果的に、年収アップだけでなく、働きがいのある職場環境を手に入れていたのです。
あなたにも同じことができます。いや、するべきです。
今の職場で感じている不満や不安は、決してあなたの能力不足ではありません。ただ環境が合っていないだけかもしれません。あるいは正当な評価を受けていないだけかもしれません。しかしその状況を変えられるのは、あなた自身だけです。エージェントも、この記事も、きっかけを提供することはできます。でも最終的に行動するかどうかを決めるのは、あなたなのです。
もしあなたが「今の環境を変えたい」「自分のキャリアをもっと良くしたい」と本気で思うなら、今日からでも行動を始めてください。
まずはファルマスタッフ、レバウェル薬剤師、ファル・メイトの3社に登録し、初回面談で本記事のポイント1「市場価値の正確な把握」を実践することから始めましょう。

そして初回面談の際、エージェントにこう伝えてください。
「私は転職を成功させるために、主体的に動くつもりです。一緒に戦略を練らせてください」
この一言で、エージェントの対応は確実に変わります。あなたを「ただの求職者」ではなく「本気でキャリアアップを目指すパートナー」として扱ってくれるようになるでしょう。
転職は人生の大きな決断です。だからこそ妥協せず、戦略的に、そして主体的に進めてください。
あなたには、今よりもっと良い環境で働く権利があります。正当な評価を受け、やりがいを感じながら、適切な報酬を得る権利があるのです。

